ドップ

ドップ (DOPP) の概要

ドップは1979年に放送されたアニメ『機動戦士ガンダム』に登場する架空の兵器で、ジオン公国軍が開発した大気圏内用の戦闘機です。地球環境についての情報が不足する中、急造されたこの機体は、特異な形状を持っています。特に、コクピットが機体の斜め上に配置されているのが特徴で、他の航空機とは一線を画したデザインとなっています。劇中では、緑色の一般機と茶色で塗装された、ジオン軍大佐ガルマ・ザビの専用機が登場します。

機体の背景と仕様

本機は、ジオン公国軍が地上侵攻作戦を計画していなかった時期に開発されました。地上作戦の停滞を受けて、航空主力機として利用されることとなり、性能が求められました。ただし、ジオンの技術者たちは実際の試験飛行を十分に行える環境になく、コンピュータシミュレーションを用いて開発を進めました。しかし、試作機は全て墜落するという厳しい結果に終わりました。

最高速度はマッハ5に達するものの、その空力特性は望ましいものではなく、操縦は困難でした。エンジンの出力により運動性は高いものの、航続距離が短く、ガウ攻撃空母のサポートが必要でした。戦闘は、ミノフスキー粒子散布環境で行われることを前提に設計されており、視界の良さを重視したコクピット構造が採用されています。

劇中での活躍

ドップは、地球連邦軍のホワイトベースを追い詰めるために頻繁に登場しました。ガルマ・ザビは専用のドップに搭乗し、自らの部隊を指揮してガンダムと交戦しますが、基本的には撃墜されることが多く、やられ役の印象が強いです。特に第25話では、黒い三連星と共にホワイトベースへの攻撃を試みます。

また、『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』や『機動戦士ガンダム MS IGLOO 2 重力戦線』などの作品にも登場し、さまざまな戦闘シーンが描かれています。『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、特に印象的な活躍が見られ、時には他のモビルスーツや戦車との連携がなされます。

商品化と評価

ドップはメカニックとして多くの商品が展開されましたが、プラモデルとしては初期に商品化されておらず、後に「MS IN ACTION」シリーズや「EXモデル」として登場しました。特にガンプラブームを背景にした商品化は、後の世代でも根強い人気を誇っています。

バリエーションと今後

ドップにはいくつかのバリエーションが存在します。例えば、書籍『MS ERA 0001〜0080 ガンダム戦場写真集』に登場するドップ改や、漫画『機動戦士ガンダムΖΖ外伝 ジオンの幻陽』に登場するドップIIなどがあります。これらはオリジナルの形状を基にしたアレンジ版で、様々な戦場での活躍が描かれています。

ドップは、ガンダムシリーズの中でも特徴的な存在であり、今後もファンによって多くの作品にリファインされ続けるでしょう。

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