アベ9ジラ

アベ9ジラ

「アベ9ジラ（あべくじら）」は、1990年代後半にABCラジオ（朝日放送）で放送された、平日朝のワイド情報番組です。当時、朝日放送のアナウンサーであった安部憲幸（あべ のりゆき）がパーソナリティを担当し、日々の様々なニュースや生活に役立つ情報を届けました。

番組は1995年4月、『安部憲幸の月火水木アベ9ジラ』としてスタートしました。これは、安部がそれまで担当していた土曜昼間の番組（西川のりおとの共演）から移動して開始されたものです。当初は月曜日から木曜日までの放送でした。

その後、1996年10月からは放送枠が金曜日にも拡大され、番組タイトルは『安部憲幸のアベ9ジラ』と変更されました。この時点での放送時間は、月曜日から金曜日の午前9時から10時50分まででした。さらに後に、後続番組が終了したことで、放送終了時間は午前11時40分まで延長されました。

番組は1999年3月に惜しまれつつ終了。この時間帯の後継番組としては、乾龍介がパーソナリティを務める『東西南北 龍介がゆく』がスタートしました。

番組の特色：稲作企画「ゆめろく」

『アベ9ジラ』の最も特徴的な企画の一つに、岩手県の農協と連携した稲作プロジェクトがありました。1997年から1998年頃にかけて、岩手県胆沢町（現在の奥州市胆沢区）に番組が田んぼを借り上げ、リスナー向けの田植えや稲刈り体験ツアーが実施されました。この企画から生まれたお米は、『いわて純情米・ゆめろく』というブランド名で、関西地区を中心に一般販売されました。これは、番組が単なる情報提供に留まらず、地域との連携やリスナー参加型のユニークな取り組みを積極的に行っていたことを示しています。

この「ゆめろく」プロジェクトや稲刈りツアーといった企画は、『アベ9ジラ』の終了後も受け継がれました。安部憲幸がパーソナリティを務めた日曜午前のワイド番組『アベロクのどんまいサンデー』（2006年4月終了）で継続されたほか、安部が2006年3月に朝日放送を定年退職した後も、『大平シロー、中邨雄二の笑たま』（2006年4月～2007年3月）、『ほっとハート!にちよう柴田塾』（2007年4月～2010年4月）といった後継番組内の企画として引き継がれ、長く親しまれました。

関連番組：金曜ハナ9ジラ

『安部憲幸のアベ9ジラ』として金曜日も放送されるようになる前の期間、1995年4月から1996年9月までは、『金曜ハナ9ジラ』という番組が金曜日の同じ時間帯に放送されていました。この番組は、最初の1年間（1995年4月～1996年3月）は羽川英樹が、後半の半年間（1996年4月～1996年9月）は立原啓裕とキダ・タローがそれぞれパーソナリティを担当しました。アシスタントは山本いつ子が務めました。この『金曜ハナ9ジラ』の終了をもって、金曜日も『アベ9ジラ』の放送枠となりました。

主な出演者

安部憲幸（パーソナリティ）
永田まり
井出智美

主なコーナー

クイズ アベ9ジラ: ニッポン放送の『テレフォン人生相談』が近畿圏ではネットされなかったため、その代わりに企画されたコーナー。かねふくがスポンサーにつき、「企画ネット番組」のような形式でした。
メーワクやったらゆうてや
エブリバデーTEL2カムカム
音の玉手箱
ゲストコーナー
朝日新聞ニュース
トヨタ街かどお天気交差点
交通情報
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『アベ9ジラ』は、安部憲幸の親しみやすい語り口と、情報提供に加え、リスナーを巻き込む独自の企画によって、1990年代後半の関西のラジオに親しまれた朝の顔となりました。

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