アポファジーメニ

アポファジーメニの概要

アポファジーメニ（イタリア語: Apofasimeni）は、19世紀前半にイタリア、フランス、マルタにおいて成立した革命的な秘密結社です。この組織は、急進的な立憲自由主義を基にしており、イタリア統一運動の初期に重要な役割を果たしました。彼らは主に貧困層の間に広まり、社会改革を求めました。

名称の由来

「アポファジーメニ」という名前は、近代ギリシャ語の「アポファジスメーノス」に由来しており、「やけくそになった人」または「決起的な人」という意味を持っています。この結社の指導者であるカルロ・アンジェロ・ビアンコは、ギリシャの革命に参加した経験があり、組織の参加者にはギリシャ人が多く含まれていたため、この名称が選ばれたと考えられています。

組織の背景

アポファジーメニは、カルボナリと同時期に存在しましたが、影響力は小さく、遺された資料も少ないため、その起源を特定するのは難しいです。1828年から1830年、カルロ・アンジェロ・ビアンコがピエモンテ革命に関与し、イタリアを離れていた頃、彼はマルタ島やフランスのマルセイユで組織を形成したとされています。彼らの活動は主にイタリアでしたが、初期メンバーの多くがギリシャ人であり、トスカーナ大公国のピーサを中心に活動しました。アポファジーメニはカルボナリとは異なり、貧しい人々の間に浸透を図ることを目指しました。また、メンバーは「vero amico（真の友）」と呼ばれていました。アポファジーメニは平等主義的な社会革命を訴えましたが、これはカルボナリの指導者フィリッポ・ブオナローティの影響を受けたものでした。

活動の展開

1830年、カルロ・アンジェロ・ビアンコは「イタリアに適用されるゲリラ部隊に蜂起による民族戦争」と題する著書を発表しました。この著書では、ナポレオン指導のフランス軍に対するスペイン人のゲリラ戦を理論的に整理し、オスマン帝国と戦ったギリシャ人の独立の試みを称賛しました。彼は、イタリアの民族意識を高めるための戦争手段としてゲリラ戦を位置付け、その成功を願いました。

1831年にはモデナ、パルマ、ボローニャ、フェラーラなどで蜂起が成功し、臨時政府が樹立される「中部イタリア革命」が勃発しました。カルボナリが主役を務めたものの、アポファジーメニもその活動に参加しましたが、その後のいくつかの試みは実行には移せませんでした。最終的に、アポファジーメニは党員だったジュゼッペ・マッツィーニの「青年イタリア」と合併する形で姿を消しました。

組織の影響

アポファジーメニは、主に貧しい村や漁村、農村に焦点を当て、民衆とのつながりを模索しました。この点において一定の支持を得ましたが、カルボナリよりも多くの影響力はありませんでした。しかし、青年イタリアと合併することで、彼らの活動は次の革命の生成に寄与する土台となりました。

アポファジーメニの創設者であるカルロ・アンジェロ・ビアンコは、多くの革命活動に関与しており、彼の存在は伊統一の三英傑として知られるジュゼッペ・マッツィーニにとっても重要でした。マッツィーニは1831年にアポファジーメニに加入し、ビアンコの戦術や理念を学びました。

結論

アポファジーメニは、その活動を通じてイタリア統一運動における価値ある貢献をしました。彼らの理念や活動は、後の革命の流れに大きな影響を与えることとなり、イタリアの歴史において重要な位置を占めています。

もう一度検索