アポロドーロス

アポロドーロス：古代ギリシア[[神話]]の編纂者

アポロドーロスは、古代ローマ時代に活躍したギリシアの著作家です。彼の名は、現代でも『ビブリオテーケー』（ギリシア語で「図書館」の意）の編纂者として広く知られています。この書物は、ギリシア[[神話]]に関する体系的な記述として、後世に多大な影響を与えました。

しかし、アポロドーロス自身の人生については、多くの謎に包まれています。彼の生没年は正確には分かっておらず、一般的には紀元1世紀から2世紀頃の人物と推定されています。アテーナイ出身の文法家であるという説が有力ですが、確証はありません。

アポロドーロスの名を冠した『ビブリオテーケー』ですが、実はその編纂者に関する議論が長年に渡り続けられています。紀元前2世紀後半のアテーナイには、アポロドーロスという名の文法家がおり、『神々について』、『年代記』といった著作を残していたことが分かっています。一時期、この文法家と『ビブリオテーケー』の編纂者は同一人物であるという説が有力視されていましたが、近年の研究では別人である可能性が高いとされています。そのため、『ビブリオテーケー』の編纂者は「偽アポロドーロス」と呼ばれることもあります。

『ビブリオテーケー』の編纂者についての記録は、9世紀のポティオスの言及が最古となります。その後、ツェツェースもこの書物を引用していますが、それ以前の記録は確認されていません。これらの記録や写本からは、古代後期においては、アテーナイ出身の文法家アポロドーロスと『ビブリオテーケー』の編纂者が同一人物であると認識されていたことが伺えます。

しかし、19世紀に入り、ローベルトによる研究によって、この二人が別人であるという説が提唱されました。その根拠は、『ビブリオテーケー』とアテーナイの文法家アポロドーロスの著作の断片を比較検討することで明らかになりました。文法家の著作は合理主義的な神話解釈に基づいているのに対し、『ビブリオテーケー』は古代文学に伝わる神話を無批判に編纂しているという違いが見られたのです。

さらに、『ビブリオテーケー』にはカストールという人物が引用されています。ストラボンや『スーイダース』によると、カストールは紀元前1世紀の歴史家であると考えられています。そのため、『ビブリオテーケー』の編纂者であるアポロドーロスは、少なくとも紀元前1世紀以降の人物であると推測されています。しかしながら、正確な年代については諸説があり、紀元1世紀から2世紀頃という推定も、まだ断定的なものではありません。

アポロドーロスと『ビブリオテーケー』をめぐる謎は、未だに完全に解明されたわけではありません。彼の生涯や、彼の作品が後世に与えた影響の全容を解明するためには、今後の研究がさらに必要となります。しかし、現代においても『ビブリオテーケー』がギリシア[[神話]]研究において重要な文献であることに変わりはなく、アポロドーロスは、古代ギリシア[[神話]]の理解に大きく貢献した重要な人物と言えるでしょう。

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