アポロSA-3

アポロSA-3は、アメリカのアポロ計画において3度目に打ち上げられたサターンI型ロケットです。このミッションは、アポロSA-1から続く機体性能試験の一環であり、過去2回の試験とは異なり、燃料を初めて満載して飛行することが主な目的でした。初期の2回の飛行では、燃料タンクの83％しか燃料が搭載されていませんでしたが、SA-3では満載状態での飛行試験が行われました。

当初、一段目と二段目の分離に使用する逆噴射ロケットの試験も検討されましたが、今回は二段目がダミーであったため、この試験は見送られました。アポロSA-2と同様に、SA-3でもハイ・ウォーター計画が実行され、二段目には109,000リットルの水が搭載されました。この水は宇宙空間に散布され、人工的な雲を形成する試みが行われました。

1962年11月16日に打ち上げられたSA-3は、当時アメリカがキューバ危機の直後という緊迫した状況下にあったため、見学者はほとんどいませんでした。燃料を満載した今回の飛行では、発射から4分53秒後には高度167kmに到達しました。マーシャル宇宙飛行センターの技術者たちは、燃料満載による緩やかな加速と長時間燃焼がロケットにどのような影響を与えるかについて、詳細なデータを取得することに成功しました。

ロケットが最高高度に達した際、搭載されていた爆薬が爆破され、宇宙空間に水が散布されました。この実験では、大きな影響は観測されませんでしたが、宇宙空間での人工的な雲の生成に関する貴重なデータが得られました。

アポロSA-3のミッションは、機体の性能試験とハイ・ウォーター計画の実施を通じて、アポロ計画の推進に重要な貢献を果たしました。

参考:
Apollo Maniacs（アポロ・マニアックス）

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