アポロSA-4

アポロSA-4は、アメリカのアポロ計画におけるサターンI型ロケットの4度目の打ち上げとして、その歴史に名を刻んでいます。この打ち上げは、サターンI型ロケットの1段目試験飛行の締めくくりを飾るものでした。

試験の目的

SA-4の主な目的は、サターンI型ロケット1段目の最終試験飛行を行うことでした。特に重要な実験は、打ち上げから約100秒後に、意図的にエンジンの1基を停止させることでした。この実験の狙いは、エンジン停止によって余剰となるはずだった燃料を、残りのエンジンに供給し、燃焼時間を延長することで、ロケットを所定の軌道に乗せることでした。この技術は、後のアポロ6号やアポロ13号のミッションで、その価値を大きく発揮することになります。また、SA-4の2段目には、今回もダミーが搭載されました。

飛行の経過

1963年3月28日、SA-4は計画通りに打ち上げられ、発射から100秒後には5番目のエンジンが停止しました。燃料は残りのエンジンに適切に供給され、ロケットは狙い通りの軌道へと進みました。当初、5番目のエンジンは冷却システムが停止することで、他のエンジンの熱によって破壊される可能性が懸念されていましたが、そのような事態は発生しませんでした。この実験は、複数のエンジンを束ねて使用するクラスター方式ロケットの開発において、重要な検証となりました。

ロケットは高度129kmに到達し、最高速度は時速5,906kmを記録しました。また、燃焼終了後には、今後のロケット分離技術に必要となる逆推進ロケットの噴射実験も行われました。SA-4は1段目と2段目を分離する構造ではなかったため、逆噴射は必須ではありませんでしたが、この実験を通じてその正常な動作が確認されました。

結論

アポロSA-4の打ち上げは、サターンI型ロケットの1段目試験飛行を成功裏に完了させただけでなく、後のアポロ計画における重要な技術基盤を確立しました。特に、エンジン停止時の燃料制御と逆推進ロケットの動作確認は、その後の宇宙開発において大きな意味を持つものでした。

外部リンク

Apollo Maniacs（アポロ・マニアックス）

もう一度検索