アマチュア無線フェスティバル

ハムフェア：アマチュア無線の一大イベント

ハムフェアは、日本アマチュア無線連盟（JARL）が主催する、アマチュア無線界における国内最大のイベントです。アマチュア無線の健全な発展と技術向上、そして無線家同士の交流を深めることを目的として、毎年開催されています。

ハムフェアの概要

1975年に「全日本ハムベンション」として始まったハムフェアは、アマチュア無線に関する展示や催し物を中心に構成されています。全国各地、時には海外からも多くの参加者が集まり、最新の無線機器や技術、各クラブの活動報告、自作機器の展示などが行われます。フリーマーケットでは、中古無線機やジャンク品、電子部品などが取引され、アマチュア無線家にとっては見逃せないイベントとなっています。

開催年ごとにテーマが設けられ、テーマに沿った展示や講演会が実施されるのも特徴です。2019年には約4万人の入場者数を記録しましたが、これは2日間の延べ人数であり、実際のチケット販売数は非公開となっています。

会場での催し物

ハムフェアの会場では、様々な催し物が企画されています。

展示・販売：アマチュア無線クラブの活動紹介や研究成果発表、自作作品の販売、中古無線機やジャンク機器の売買、無線機器メーカーによる製品展示や新製品発表などが行われます。
講演会：著名なアマチュア無線家による研究発表やDXペディションの報告、コンテストの表彰などが行われます。
工作教室：簡単な電子工作やSWRメーター、モールスキーヤーなどの製作体験ができます。
アマチュア無線家同士の交流：日本最大級のイベントだけあって、多くのアマチュア無線家が集まり、情報交換や交流を深める場となっています。
第三級・第四級アマチュア無線技士の臨時国家試験：会場内または近隣施設で、アマチュア無線技士の国家試験が実施されます。通常よりも短期間で資格取得が可能なため、人気があります。
ハムフェア記念局の公開運用：JARLがハムフェア開催を記念して特別局を開設し、JARL会員が運用できます。
JARLによるサービス：会費納入、アワード申請、QSLカード転送受付など、JARLの各種サービスが提供されます。

出展について

ハムフェアに出展するには、事前にJARLへの申し込みが必要です。出展区分は、以前は販売の有無によって料金が異なっていましたが、2024年からは全てのブースで物販が可能になり、占有面積と設備によって料金が設定されるようになりました。

自作作品コンテスト

アマチュア無線に関する機器などを自作し、そのアイデアや技術を競うコンテストも開催されます。最優秀賞には総務大臣表彰が贈られるなど、アマチュア無線家の技術向上を奨励する目的があります。

ハムフェアの歴史

ハムフェアの起源は、1975年に開催された「全日本ハムベンション」に遡ります。1977年からはJARL主催の「アマチュア無線フェスティバル」として開催され、1987年に現在の「ハムフェア」という名称になりました。会場は、東京国際見本市会場から東京ビッグサイト、パシフィコ横浜へと変遷し、2002年からは再び東京ビッグサイトで開催されています。2020年と2021年は、新型コロナウイルス感染症の影響で中止となりましたが、2024年には有明GYM-EXにて開催されました。

地方本部主催のイベント

JARLの地方本部でも、小規模なハムフェアが開催されています。

関西アマチュア無線フェスティバル（関ハム）：大阪府池田市で毎年7月に開催。
西日本ハムフェア：九州各地で3月に開催。
北海道ハムフェア：札幌市で不定期に開催。

ハムフェアは、アマチュア無線家にとっては年に一度の祭典であり、最新の情報や技術に触れ、仲間との交流を深めることができる貴重な機会です。アマチュア無線に興味のある方は、ぜひ一度足を運んでみてください。

もう一度検索