アミティー

株式会社アミティーは、かつて岡山県に本社を構え、全国に子供向けの英会話専門学校を展開していた企業です。英会話学校イーオンのグループ会社として知られていましたが、2021年7月1日に株式会社イーオンに吸収合併され、現在はその事業の一部として統合されています。アミティーは学校[[教育法]]上の学校ではなく、独自の教育理念とプログラムを提供していました。

概要

アミティーは、2019年12月時点で577名の従業員を抱え、22,535名の生徒が在籍していました。全国96ヶ所に学校拠点を展開（2020年9月時点）し、子供たちの英語教育に注力していました。主な事業内容は、子供向け英会話学校の運営に加え、教材開発や教師養成などの関連業務も含まれていました。

本社は岡山と東京にあり、東京オフィスは世田谷区に設置されていました。学校は東京、横浜、名古屋、大阪、仙台など主要都市に展開していました。また、外国人教師の採用拠点としてロサンゼルスにオフィスを構えていました。

沿革

アミティーは1973年に子供向け英会話専門校として設立されました。1983年には西日本研修センターを開設し、1988年には満1歳半からの英会話レッスンを開始。1994年にイーオンから独立し、株式会社イーオン・アミティーを設立しました。同年には全校に外国人教師が赴任し、児童英検を導入するなど、教育体制を強化しました。

2000年代に入ると、0歳からのクラスや保護者向けクラスを開講し、TOEIC Bridge IPテストを導入するなど、対象年齢層や提供サービスの拡充を図りました。2004年にはロサンゼルスに外国人教師の採用拠点を設置しました。その後もプリスクールコースの開設や、月謝制への移行など、変化する社会のニーズに合わせて柔軟に対応しました。2012年には株式会社アミティーに社名変更し、2014年には「i Lesson®」を導入。2017年には、KDDI株式会社がイーオンHDの株式を100%取得する契約を締結し、グループ会社となりました。

2021年7月1日、株式会社イーオンに吸収合併され、アミティーの歴史は幕を閉じました。

教室数の推移

1976年に1校目を設立後、1997年には50校に拡大。その後も着実に教室数を増やし、2019年から2020年にかけて新たに12校が開校し、最終的に96校に達しました。

アミティーベア

2014年には、アミティーの象徴となるキャラクター「アミティーベア」を開発しました。シルバーとグリーンの2体のベアは、アミティーの「創造」と「革新」の姿勢を表現し、子供たちに寄り添う存在として、全教室に配布されました。

事業内容

アミティーは、0歳（満6ヶ月）から高校生までの18年間一貫した英語教育を提供していました。教材はすべてオリジナル開発で、英検やTOEICは校内で受験できました。授業参観や学習カウンセリング、保護者座談会なども定期的に実施し、保護者との連携も重視していました。

カリキュラムの特徴

アミティーの教育システムは、年齢やレベル別にきめ細かく設定されており、100を超えるコースから個々のニーズに合ったプログラムを選択できます。早期英語教育にも力を入れており、胎教クラスも開講していました。レッスン形態は、グループレッスン、ラウンドアップレッスン、プライベートレッスン、セミプライベートレッスンなど多岐に渡ります。

i Lesson®（アイレッスン）

2014年に導入された「i Lesson®」は、アミティーの教育実績と最新の研究に基づいた教授法で、シャープ製の大型タッチディスプレイを活用したインタラクティブな授業が特徴です。1000種類以上のオリジナルコンテンツを使用し、動くイラストや音声で子供たちの興味を引きつけます。授業は電子ボードのみで行われ、本やカード類は使用しません。また、ライブレッスンとしてオンラインでの受講も可能で、転居・転校しても継続できる柔軟性も備えていました。

教育上の実績

アミティーの生徒は、各種英語スピーチコンテストや弁論大会で優秀な成績を収めています。また、実用英検やTOEICで高いスコアを獲得し、英語力向上において確かな実績を上げています。

学習環境

アミティーは、0歳から子供を預かるため、安全な教育環境づくりに力を入れていました。廊下から見学できる教室や、シックハウス対策、角をなくした家具の導入、空気清浄機の設置など、細部にわたって配慮されていました。また、教材の安全性や教室の安全対策にも徹底的に取り組んでいました。

コースと特色

アミティーでは、年代別コースと目的別コースが用意されており、生徒は自分のニーズに合わせてコースを選択できます。

年代別コース:
プリスクールコース（満6ヶ月～年少）
スクールコース（年中～高校生）

目的別コース:
日本人教師によるレギュラーコース
外国人教師によるプラクティカルコース
パソコン英語学習（インタラクティブコース）
スペシャルコース（英検対策、TOEIC対策など）

学習プログラム:
デュアルコース（日本人教師＋外国人教師のレッスン）
イマージョンコース（週3回以上のレッスン）
総合英会話コース
インテンシブコース（プライベートレッスンとグループレッスンを組み合わせたコース）
ウォームアップコース（レッスン前のプライベートレッスン）
目標達成コース（個別の目標に合わせたレッスン）
スキルアップコース（パソコン英語学習との組み合わせ）
オリジナルコース（多様なプログラムを組み合わせ）

年間スケジュール

アミティーでは、4月に新クラス・新コースがスタートし、春、夏、冬にセミナーが開催されていました。定期的なカウンセリングや授業参観も実施し、保護者との連携を密にしていました。

教師陣の特徴

外国人教師は、英語圏で募集し、正規ビザを取得して日本へ招聘していました。日本人教師は、筆記・会話インタビュー・面接などの試験を経て選考されていました。

研修制度・採用

アミティーでは、赴任前の学校研修やイニシャル研修に加え、赴任後も定例研修やワークショップを通じて教師のスキルアップを図っていました。しかし、一部の研修は無給で行われていたという問題点も指摘されていました。

勤務環境

講師は全国赴任とエリア赴任の2パターンの勤務形態がありましたが、スタッフは全国赴任のみでした。週休2日が基本でしたが、労働環境には問題があり、長時間労働やサービス残業が常態化していたことが過去にありました。

2011年には、長時間労働が原因で若い女性講師が自殺する事件が発生しました。この事件では、教材作成がサービス残業とみなされ、労災認定されました。しかし、その後も教材作成が自己負担で行われるなど、労働環境が改善されることはありませんでした。また、有給休暇は会社指定で消化され、残業時間も正確に記録されないなど、労務管理における問題点が指摘されていました。

経営状況と前受金分別信託制度

アミティーは、2013年度には売上高42.3億円、経常利益8.7億円を達成し、2019年度には売上43.3億円まで成長しました。また、前納制の授業料については、みずほ信託銀行との間で分別信託制度を導入し、未経過分の授業料を保全していました。これは、生徒の保護を目的とした措置でした。


アミティーは、子供英語教育に貢献した企業として、その名を知られていましたが、労務管理における問題点など、課題も多く抱えていました。しかし、合併により株式会社イーオンの一事業部として、現在もアミティーの教育理念は継承されています。

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