アミラル・シャルネ級装甲巡洋艦

アミラル・シャルネ級装甲巡洋艦

アミラル・シャルネ級装甲巡洋艦は、1889年から1891年にかけてフランス海軍によって設計された艦級であり、その目的は通商破壊戦や艦隊の護衛任務を担うことでした。この艦級の設計は、ディパージによるもので、前のデュピュイ・ド・ローム級の小型バージョンとして建造されました。

設計の特徴

アミラル・シャルネ級は、サイズをコンパクトにすることから、装備される副砲の口径が従来の16cmから14cmに縮小され、推進方式も3軸から2軸に変更されました。この変更により、速度は前級よりも約1.5ノット低下し、また、舷側装甲は若干薄くなっています。

船体形状

この艦級の船体は、タンブル・ホーム型という設計で、一見複雑な曲線を用い、船体の重量を軽減しつつ強度を保つ工夫がなされています。この形状は、他国の艦艇にも広く採用されており、フランス海軍だけでなく、帝政ロシア海軍やドイツ海軍、アメリカ海軍の艦艇にも見られる特徴です。また、艦首や艦尾が水線下で突出しているため、艦が水面から中間甲板にかけて細く引き締まり、甲板面積が小さくなっています。

この設計は、備砲の射界を広げることや、全体防御方式における装甲配置を効率的に行うために採用されており、軽量化の一助ともなっています。乾舷の高い艦首から低い艦尾にかけての傾斜は、平甲板型船体の特徴を持ち、水面から突出した艦首には19.4cmの単装主砲塔が一基設置されています。艦橋には埋め込まれた司令塔があり、ここから立ち上がるミリタリー・マストは艦の防御力と視界を高める役割を果たします。

武装と装備

本艦のミリタリー・マストは3段構造で、上段には見張り台が設置されており、370mmから470mmの機関砲が配置されています。これは水雷艇からの奇襲攻撃に対抗するための配備であり、当時の艦艇においては非常に重要な装備でした。また、艦背後には2本の煙突が設置されており、その間には通風筒が設けられています。艦載艇を配置する後部甲板には後向きに設置された19.4cmの主砲塔が見受けられ、さらには13.8cmの単装副砲塔が前後のミリタリー・マストの側面と煙突の左右にそれぞれ配置されています。

同型艦

この艦級には以下の艦が含まれます。

• - アミラル・シャルネ (Amiral Charner)
• - ブリュイ (Bruix)
• - シャンジー (Chanzy)
• - ラトゥーシュ・トレヴィル (Latouche Treville)

参考文献

詳しい情報は「世界の艦船増刊第50集 フランス巡洋艦史」（海人社）の書籍を参照してください。

関連項目

• - フランス海軍艦艇一覧

外部リンク

• - Cruiser armoured 'Amiral Charner' (1889) アミラル・シャルネの説明（英語）

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