アメリカナデシコ

アメリカナデシコ (Dianthus barbatus)

アメリカナデシコは、ナデシコ科ナデシコ属に分類される多年草です。別名として、ヒゲナデシコ、ビジョナデシコという名でも親しまれています。原産地はヨーロッパのバルカン半島やロシア西部で、日本には大正時代にアメリカを経由して導入されたと考えられています。

特徴

その名の由来にもなっている特徴的な苞は、先端が長いひげのように伸びています。花は直径約2cmと小ぶりで、枝の先端に十数輪ほど集まって咲きます。本来は多年草ですが、日本では初夏に種をまき、翌春に開花させる一年草としての栽培も一般的です。

草丈は品種によって異なり、40～60cmの高性種は切り花として、15～20cmの矮性種は花壇用として栽培されています。

また、在来種は一定の大きさに成長した枝が低温にさらされることで開花しますが、四季咲き性の品種は低温に遭遇しなくても開花するため、より長い期間花を楽しむことができます。

栽培方法

アメリカナデシコの種まきは、9月上旬から中旬に行うのが適しています。発芽は比較的容易で、丈夫な性質を持つため、直播きでも育てることができます。種をまいた後は、2mm程度の土をかぶせておくと、約1週間で発芽します。生育に応じて間引きや移植を行い、株間を20cm程度に保つようにします。

日当たりと水はけの良い場所を好みます。冬場でも半日以上日が当たる場所であれば、十分に開花させることができます。

利用方法

アメリカナデシコは、花壇や切り花として広く利用されています。家庭園芸でも人気があり、手軽に栽培を楽しめます。

近年では、エディブルフラワーとしての利用も注目されています。開花したばかりの花を摘んで、サラダなどに添えて楽しむことができます。ただし、食用にする場合は、農薬の使用に注意が必要です。

参考文献

八代嘉昭 「アメリカナデシコ」 著、農山漁村文化協会 編『カーネーション（ダイアンサス）』 9巻（初版）、農山漁村文化協会〈花卉園芸大百科〉、2002年、161-164頁。ISBN 4-540-01209-6。
佐竹義輔、大井次三郎、北村四郎 他『日本の野生植物 草本II離弁花』平凡社、1999年。ISBN 4-582-53502-X。

外部リンク

* 米倉浩司・梶田忠 (2003-)　「BG Plants 和名−学名インデックス」（YList）:アメリカナデシコ (2011年8月1日閲覧)

もう一度検索