アメリカン・アソシエーション (19世紀)

アメリカン・アソシエーションについて

アメリカン・アソシエーション（American Association）は、1882年から1891年の間、アメリカ合衆国で活動していたプロ野球リーグです。このリーグは19世紀のメジャーリーグベースボールの一部と見なされており、その戦績や選手の記録はメジャーの正式な記録に含まれています。

創設と運営の方針

アメリカン・アソシエーションは1882年にH.D.マックナイトを中心に設立されました。設立当初からナショナルリーグが設けていた厳格な規律とは異なり、このリーグはより多様な層にアプローチすることを意図していました。入場料をナショナルリーグの半分に設定し、ブルーカラー層の観客も受け入れるよう努めました。また、ナショナルリーグが禁止していた酒類の販売や、日曜日の試合を開催することにも積極的でした。このため、アメリカン・アソシエーションは「ビア・アンド・ウィスキー・リーグ」と呼ばれることもありました。

リーグは設立から約10年間存続し、ナショナルリーグとの競争を優先して、本拠地の重複を避ける努力も行いました。1883年には選手の引き抜きを止めることを条件として、ナショナルリーグからメジャーリーグとして公式に認知されることに合意しました。

参加チームの変遷

開幕当初、アメリカン・アソシエーションには6つの球団が参加しましたが、翌年には8チームに、さらに1884年には12チームへと拡大しました。特に1884年の拡張は、新たに設立されたユニオン・アソシエーションへの対抗策として実施されました。このユニオン・アソシエーションは翌年には解散となりましたが、その後アメリカン・アソシエーションは再び8球団体制に戻りました。

しかし、1887年にはピッツバーグ・アレゲニーズ、続いてクリーブランド・スパイダーズやシンシナティ・レッズ、ブルックリン・ダジャース等がナショナルリーグへと移籍していき、その流れによりリーグは次第に縮小していきました。1891年にはプレイヤーズ・リーグから2球団が加わったものの、アメリカン・アソシエーションはその年に運営が破綻し、参加していたいくつかの球団がナショナルリーグに吸収されました。

ナショナルリーグとの交流戦

アメリカン・アソシエーションは、1884年から1890年までの間、ナショナルリーグとの間で、リーグの優勝チーム同士による年間の王者決定戦を行う取り組みを実施しました。これが現在のワールドシリーズの原型となっています。このシリーズは1884年から1890年にかけて行われましたが、リーグ解体の年である1891年に予定されていた対戦は実現しませんでした。このシリーズは多くの部分で顔見せ的な性質を持っており、現在のような真剣勝負の場所ではなかったとされています。

参加球団一覧

アメリカン・アソシエーションで活動した球団のうち、現存しているチームに関する情報は以下のとおりです。確認可能なチームの記録もあります。

優勝チームと記録

- 1882年 シンシナティ・レッドストッキングス
- 1883年 フィラデルフィア・アスレチックス
- 1884年 ニューヨーク・メトロポリタンズ
- 1885年, 1886年, 1887年, 1888年 セントルイス・ブラウンズ
- 1889年 ブルックリン・ブライドグルームス
- 1890年 ルイビル・カーネルズ
- 1891年 ボストン・レッズ

これに加え、年間王者決定戦や投手記録など、様々な資料が存在しますが、アメリカン・アソシエーションはプロ野球史において重要な役割を果たしたリーグであると言えます。

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