ニューヨーク・メトロポリタンズ

ニューヨーク・メトロポリタンズ

ニューヨーク・メトロポリタンズ（New York Metropolitans）は、1883年から1887年にかけてアメリカン・アソシエーションに所属したプロ野球チームです。チームは1880年に「メトロポリタン・ベースボール・クラブ」として創設され、最初は独立系のチームとして活動していました。

球団の設立と初期の活動

当初、メトロポリタンズはブルックリンやホーボーケンなどで試合を行っていましたが、1880年9月にオーナーのジョン・B・デイがマンハッタンのポロ・グラウンズでの試合の許可を取得。これにより、同地を本拠地として定め、チームの興行が成功を収めることになります。1882年にはナショナルリーグとアメリカン・アソシエーションの両リーグから加盟の申し出を受けました。

デイは密かに両リーグへの加盟を模索しており、ナショナルリーグからのトロイ・トロージャンズのフランチャイズ権を獲得することでニューヨーク・ゴッサムズを設立。これにより、メトロポリタンズとゴッサムズは同じポロ・グラウンズを本拠地として利用することになりました。

リーグ加盟と成功

1883年にリーグ加盟を果たしたメトロポリタンズは、主力投手ティム・キーフの活躍により良好な成績を収めました。キーフは自身が考案したチェンジアップを駆使し、41勝を挙げるなど、その実力を証明。1884年には一塁手のデーブ・オルが首位打者と最多打点を記録し、またティム・キーフとジャック・リンチがそれぞれ37勝を挙げるなどの活躍でチームはリーグ制覇を果たします。しかし、ポストシーズンでプロビデンス・グレイズに3連敗し、優勝の夢は断たれました。

チームの転機

1885年、メトロポリタンズは重要な変換点を迎えます。同年、メトロポリタンズのオーナーであるデイとマトリーが、入場料収入が高いゴッサムズの運営に専念するようになり、チームの主力選手を移籍させました。これにより、メトロポリタンズの戦力は低下し、成績も7位で終わることとなります。その後、球団はカナダ人のビジネスマンであるエラストス・ワイマンに売却され、ポロ・グラウンズからも去ることになりました。

球団の終焉と後の影響

1887年、メトロポリタンズはブルックリン・ブライドグルームス（現在のロサンゼルス・ドジャース）に買収され、球団としての歴史は幕を閉じました。1958年にはドジャースとジャイアンツが共に西海岸に移転し、ニューヨークからナショナルリーグのチームが同時に姿を消しました。しかし、1962年には新たにナショナルリーグ所属の球団がニューヨークに創設され、メトロポリタンズの略称「メッツ」がその愛称に採用されました。現在のニューヨーク・メッツがその名残を引き継いでいます。

主な選手・記録

メトロポリタンズには多くの優秀な選手が在籍しました。一塁手のデーブ・オルは1884年に首位打者、最多打点、最多安打を記録し、通算打率は.342を誇りました。また、投手ティム・キーフは1883年に41勝を挙げ、その後アメリカ野球殿堂に名を刻みました。ジャック・リンチも1884年に37勝を記録し、通算で110勝を挙げています。チーム記録には、アメリカン・アソシエーションリーグ優勝の1度が含まれています。

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