アメリカン・ボード

アメリカン・ボードの概要

アメリカン・ボード（American Board of Commissioners for Foreign Missions）は、北アメリカで初めて設立された海外伝道組織であり、日本語ではアメリカ伝道評議会とも呼ばれています。この組織は、会衆派、長老派、オランダ改革派など多様な教派が参加した無教派的な性格を持つものでしたが、次第に会衆派の団体としての色合いが強まりました。

設立の背景

アメリカン・ボードの設立の背景には、1620年にイギリスでの国教会からの迫害を逃れて北アメリカに入植したピューリタンの存在があります。彼らはインディアンとの平和な共存を目指し、また伝道の試みも行っていました。特に、厳格なニュー・イングランド・ピューリタニズムの信者たちは、マサチューセッツ州、コネチカット州、ニューヨーク州に伝道会社を設立し、インディアンへの伝道に努めました。

19世紀初頭には、マサチューセッツ州西北部のウィリアムズ大学の学生たちが、雷雨の中、干草の上で伝道について語り合っている最中に、海外伝道に従事する決意を固めた出来事がありました。この出来事は「ヘイ・スタック運動」と呼ばれ、彼らはウィリアムズ大学を卒業後、アンドーヴァー神学校で宣教師になるための訓練を受けました。

1810年、彼らの決意を受けて、マサチューセッツ会衆派教会の牧師会で、インディアンへの伝道に加え、インドへの宣教にも意欲を示しました。この熱意を受けた牧師たちは、同年6月にアメリカン・ボードを設立しました。

組織の変遷

1870年頃になると、長老派やバプテスト派、オランダ改革派、ドイツ改革派の教会が次々に組織から離脱し、アメリカン・ボードは事実上、会衆派のみの外国宣教機関となりました。これにより、組織の本来の目的や活動も変化を余儀なくされました。

主な年譜

1. 1810年 - アメリカ合衆国で会衆派教会によってアメリカン・ボードが設立される。
2. 1869年 - D・C・グリーン宣教師が神戸に派遣される。
3. 1871年 - ディヴィス宣教師がも派遣される。
4. 1874年 - 新島襄が帰国し、グリーンやディヴィスと共に同志社英学校を設立。アメリカン・ボードが設立を援助した。
5. 1886年 - 日本組合基督教会の設立に協力。
6. 1961年 - 教会合同により米国合同教会世界宣教委員会（UCBWM）に改称。

主な所属宣教師

アメリカン・ボードには、多くの著名な宣教師が所属していました。以下にその一部を紹介します。

• - D・C・グリーン（1869年）
• - O・H・ギューリック（1871年）
• - J.D.デイヴィス（1871年）
• - 新島襄（1874年）
• - E・L・コー（1880年）
• - コーネリア・ジャジソン（1887年）

この組織は、日本を含む海外への宣教活動において重要な役割を果たし、歴史的にも深い影響を与えました。アメリカン・ボードの活動は、今でも多くの人々に記憶され、評価されています。

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