アメリカ共産党

アメリカ合衆国共産党（CPUSA）の歴史と活動

アメリカ合衆国共産党（CPUSA）は、1919年に設立された政党で、共産主義を主張することを目的としています。結成当初は、アメリカ社会党から分離した形で成立し、今ではアメリカにおける歴史的な左翼組織の一つとされています。

党の設立と初期の活動

アメリカ共産党は、アメリカ社会党内の改良主義的路線に反対する左派グループによって設立されました。1921年にはアメリカ共産党と共産主義労働党が合併し、初代党名は「Workers (Communist) Party」とされましたが、1929年に現在の「Communist Party of the United States of America」に改名しました。初期の党員の多くは外国人であり、特に東欧系ユダヤ人が多数を占めていました。

党は一時的に急激に成長しましたが、司法省の弾圧による影響を受け、1920年代には停滞を余儀なくされました。特に1920年1月のパーマー・レイド（一斉検挙）は、共産党にとって大きな打撃となり、多くの党員が逮捕されたり国外追放されました。

世界恐慌と党の再台頭

1929年に発生した世界恐慌は、共産党にとって意外なチャンスをもたらしました。労働運動や社会改革運動の高まりの中で、共産党は再び影響力を増し、特に1930年代には最盛期を迎えました。この時期、党は学生運動、労働運動、公民権運動に積極的に関与し、アメリカ社会における重要な存在となっていきました。

独ソ不可侵条約と反ファシズム運動

1939年の独ソ不可侵条約が締結されると、共産党はリベラル勢力との「反ファッショ戦線」を解消し、これにより当時のリベラルな支持者から反感を買いました。しかし、ドイツがソ連に侵攻した後、共産党は再び「反ファッショ戦線」に参加しますが、信頼関係は回復されませんでした。

戦後の冷戦と弾圧

第二次世界大戦後、冷戦の激化に伴い、共産党は厳しい監視を受けることになります。特に1947年以降、トルーマン・ドクトリンやマッカーシズムの影響を受け、党は壊滅的な打撃を受けました。1950年のマッカラン国内治安維持法や1954年の共産主義者取締法により、実質的に党は非合法化されます。

近年の活動と再評価

冷戦終結後も、共産党は党員の高齢化と減少に悩まされましたが、反資本主義運動や人種差別反対運動などに賛同することで活動を続けてきました。2016年のアメリカ大統領選挙以降、若い世代の支持を受けて党勢が拡大したという報告もあります。また、2020年には警察改革を求める抗議運動への支援も行いました。

このように、アメリカ合衆国共産党は設立から現在にかけて波乱の歴史を辿りながらも、依然としてアメリカの左翼思想を体現する重要な政党として活動を続けています。

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