アメリカ合衆国国際連合大使

アメリカ合衆国国際連合大使の役割

アメリカ合衆国国際連合大使、またの名をアメリカ国連代表は、国際連合におけるアメリカ政府の代表者です。この大使は正式には「国際連合アメリカ合衆国政府代表部代表特命全権大使及び国際連合安全保障理事会アメリカ合衆国代表」とされ、略称として「アメリカ国連代表」とも呼ばれています。その主な役割は、国際連合安全保障理事会においてアメリカ合衆国の立場を示しながら、国際連合総会に出席することです。特に、アメリカ合衆国国務長官や大統領が参加する場合には、国連大使はその役割に制限がかかることもあります。

この役職への就任には、アメリカ大統領からの指名が必要であり、その後、上院の承認を得なければなりません。これまでの歴代のアメリカ国連大使には、ヘンリー・カボット・ロッジ・ジュニア、アドレー・スティーブンソン、ジョージ・H・W・ブッシュなどの著名な政治家や外交官が存在しています。

閣僚としての扱い

アメリカ国連大使は内閣の一員ではありませんが、歴代の大統領により閣僚級として扱われることがありました。フォード、カーター、レーガン大統領時代においては、国連大使は閣僚級の位置づけでしたが、自身も国連大使を務めたジョージ・H・W・ブッシュ大統領の政権下ではこの扱いは見直されました。その後、クリントン政権のもとで再び閣僚級としての扱いが復活し、オバマ政権でも同様でした。逆に、ジョージ・W・ブッシュ政権では閣僚級扱いから外されています。25代目の大使であったジョン・ボルトンは、国連大使を閣僚級とすべきではないと主張し、その理由としてアメリカの外交における国連の役割の過大評価と、同じ部署に二人の長官が存在することは不適切であると述べています。

公邸の変遷

国際連合本部が建設された1947年以降、アメリカ国連大使の公邸はニューヨークのウォルドルフ＝アストリアの42階のスイートルームが使用されてきました。このホテルは歴代国連大使にとっても自邸として利用されることが多く、のちには他の公邸の寄贈を受けることも考慮されました。1960年にはニューヨークのマンハッタン区にあるタウンハウスがアメリカ政府に寄贈されましたが、当時のアドレー・スティーブンソン国連大使はその受け入れを辞退しました。その結果、1972年にその建物は国際連合事務総長の公邸に転用されました。

しかし、公邸の利用状況は変化し続けました。2014年にウォルドルフ＝アストリアが中華人民共和国の企業に買収された影響で、アメリカ国務省はこのホテルでの公邸使用を防諜の理由から制限することを発表しました。そして、2017年には新たに国連大使に就任したニッキー・ヘイリーがニューヨークの50 United Nations Plazaを新たな公邸として借り上げることになりました。

歴代の国連大使

歴代のアメリカ国連大使には、代行を含め多くの著名な政治家が名を連ねています。また、彼らの任務は国際社会におけるアメリカの立場や政策を代表するものであり、外交において非常に重要な役割を果たしています。代表的な国連大使には、リチャード・ホルブルックやマデレーン・オルブライトなどがいます。彼らはアメリカの外交政策と国際関係の形成に大きな影響を与えています。

国際連合という多国間の舞台でアメリカの声を発信することは、今日においても重要な意味を持っており、国連大使の役割は今後もさまざまな国際問題に直面しながら、続いていくことでしょう。

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