アメリカ合衆国環境保護庁

アメリカ合衆国環境保護庁（EPA）

アメリカ合衆国環境保護庁（EPA）は、アメリカの市民の健康や自然環境の保護を目的として設立された連邦政府の行政機関です。本部はワシントンD.C.にあり、約18,000人の職員が勤務しています。1970年にリチャード・ニクソン大統領によって創設され、以来、大気や水質、土壌の汚染に関する管理を行っています。また、日本の環境省に類似した役割を担っています。

主な取り組み

自動車の燃費調査

EPAは自動車の製造や販売に関わる事業者に対して、自社製品を持ち込むよう求め、専門職員によって燃費テストを行います。この過程で、市場に出回っている自動車に対しても抜き打ち検査が行われ、基準に適合しているかどうかが確認されます。基準に満たない場合は、調査や罰則が科されます。たとえば、2012年にはオバマ政権下で環境基準が設定され、2025年までの燃費規制値を54.5マイル/ガロン（約23.2キロメートル/リットル）と決められました。しかし、トランプ政権の発足により、2018年にはこれらの規制が大幅に緩和される方針が発表されました。

エナジー・スター

1992年より、EPAは「エナジー・スター」というプログラムを開始し、消費電力の少ない電子機器を認証しています。このプログラムの基準をクリアした製品には、特別なステッカーが貼られ、消費者が省エネの選択をしやすいようになっています。例えば、多くのコンピュータやテレビなどの製品でこのマークが見られ、起動時にロゴが表示されることもあります。

発癌性評価

EPAでは、様々な物質を対象に発癌性の評価を行い、その結果を公表しています。設立当初から、人間の健康に影響を及ぼすことを考慮し、DDTなどの禁止措置を進めてきました。

環境会計プロジェクト

1992年には環境会計プロジェクトを立ち上げ、管理会計に関する多くの手法を開発しました。1995年には、環境を考慮した経営管理手法の基礎的な概念を確立するための文書を公表しています。現在は、環境管理会計研究情報センター（EMARIC）の設立により、環境管理会計のさらなる発展が続けられています。

まとめ

EPAは市民と環境を守るために多岐にわたる取り組みを行っています。自動車やエネルギーの効率性向上だけでなく、発癌性物質の評価や環境経済学の推進など、さまざまな分野での活動がその役割を果たしています。アメリカ国内外における環境問題に対応し、持続可能な社会の実現を目指すEPAの活動は、今後も重要な意義を持つことでしょう。

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