アメリカ合衆国議会議事堂

アメリカ合衆国議会議事堂

アメリカ合衆国議会議事堂（United States Capitol）は、アメリカ合衆国の立法機関である議会の活動の中心地です。この建物は、ワシントンD.C. の少し東に位置し、アメリカの政治の象徴として広く知られています。議事堂の周囲にはキャピトル・ヒルと呼ばれる区域が広がり、ここがワシントンD.C.の地理的基準点として機能しています。1800年に初めて議会がここで開かれ、それ以降この場所はアメリカの民主主義の重要な舞台となっています。

名称と歴史

議事堂の名称は、古代ローマのカンピドリオの丘に由来しています。また、各州議会の建物も「State Capitol」と呼ばれ、議事堂の影響を受けています。

初期の歴史

アメリカ初代大陸会議は1774年から1785年の間に行われ、フィラデルフィアのカーペンターズ・ホールやアナポリスの建物で実施されました。1790年から1800年までの間に、議事堂はフィラデルフィアに位置したコングレス・ホールで使用され、その後、1793年から現在の議事堂の建設が開始されました。設計は初代議事堂建築監のウィリアム・ソーントンにより、初代大統領ジョージ・ワシントンが棟上式を行ったことでも知られています。

議事堂の建設には、多くの奴隷が関与したとされています。当初、建設用の職人をヨーロッパから招聘する予定でしたが、思うように集まらない状況となり、黒人奴隷や元奴隷が大工事を行いました。上院の形成は1800年に完了し、下院は1811年に完成しました。

議事堂の再建と拡張

1814年の米英戦争で一部が焼失した後、1815年には再建工事が開始され、1830年に再建が完了しました。この時期には、さらに多くの州が加盟し議員の数も増えたため、1860年代に大規模な拡張が行われました。この拡張作業には再び奴隷が使用され、ドームの形状も改良されて、現在のようなウェディングケーキ状のドームへと進化しました。ドームは1855年に工事が始まり、1866年に完成しました。その上には「フリーダム」と名づけられた女神像が置かれています。

構造と機能

議事堂は、東西両方に正面を持ち、いずれの面も重要な入り口として利用されてきました。ドームの下にはロタンダと呼ばれる大空間が広がっており、下院議場と上院議場はそれぞれの棟に分かれています。議事堂の設計は、アメリカ各州の州会議事堂にも影響を及ぼしています。

また、議事堂は大規模な公のイベントを頻繁にホストしています。大統領就任式や独立記念日の祝賀会、国葬など、様々な重要行事がここで行われてきました。

近年の出来事

2021年1月6日、ドナルド・トランプ大統領の支持者による議事堂襲撃事件が発生しました。これは、2020年大統領選の結果を認証するための重要な会議が開催されていた最中に起こり、議会は一時封鎖される事態となりました。この事件は、民主主義の象徴とも言える議事堂が外部から攻撃を受けるという前例のない出来事を引き起こしました。

このように、アメリカ合衆国議会議事堂は、建築物としての美しさだけでなく、その背後にある歴史的意義や政治的な重要性から、アメリカの心臓部として今もなお機能しています。

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