アメリカ海兵隊総司令官

アメリカ海兵隊総司令官

アメリカ海兵隊総司令官（Commandant of the Marine Corps、略称：CMC）は、アメリカ海兵隊における最高位の職位です。海軍長官（文官）の直属であり、海軍作戦部長（海軍軍人最高位）と同格の職にあたります。

歴史

その歴史は古く、1775年11月28日にサミュエル・ニコラスが大陸海兵隊の総司令官に就任したことに始まります。大陸海兵隊の解散による中断期間はあったものの、200年以上にわたりその名を変えずに維持されてきた伝統ある職です。

大将がこの職に充てられるようになったのは、1945年3月21日に議会が承認した法令によります。この法令により、同年4月4日に第18代総司令官アレクサンダー・A・ヴァンデグリフト中将が大将に昇進しました。それ以前は、佐官が任命されることが主でした。

現在の総司令官

現在の総司令官は、エリック・スミス大将です。2023年、ジョー・バイデン政権はデイヴィッド・H・バーガー大将（第38代）の後任として、当時副司令官であったスミスを指名しました。しかし、上院公聴会で共和党議員が国防総省の中絶に関する考え方を問題視し、承認が保留されたため、1859年以来164年ぶりに司令官が不在となる事態が発生しました。その後、同年9月21日に上院がスミス副司令官の起用を承認し、トップ不在の状態は解消されました。

職務

海兵隊総司令官の基本的な職務は、以下の通りです。

アメリカ海兵隊の最高指揮官として組織を統率すること
最高責任者として戦備を整える責任を負うこと
その象徴として崇高なる尊厳を保つこと

アメリカ独立戦争以来、200年以上にわたって名称を変えずに維持されてきた職であるため、時代ごとに職務の詳細は異なっています。

初期の総司令官は、自ら兵力を率いて前線で作戦指揮を執ることもありました。しかし、「Marine Barracks」と呼ばれる海兵隊司令部の建物が機能するようになると、そこで職務を行い、作戦を指揮するようになりました。

1947年に統合参謀本部が創設されて以降は、その構成員として大統領に助言する責任も負っています。ただし、統合参謀本部の構成員である他の参謀総長や作戦部長と同様に、作戦上の指揮権は有していません。

内部に総司令官より先任の現役軍人がいたとしても、海兵隊総司令官がアメリカ海兵隊の最高指揮官であり、最高責任者であることに変わりはありません。

関連項目

アメリカ海兵隊
アメリカ合衆国海軍省
アメリカ統合参謀本部
アメリカ合衆国海軍長官
アメリカ陸軍参謀総長
アメリカ海軍作戦部長
アメリカ空軍参謀総長
アメリカ宇宙軍作戦部長

外部リンク

Official Marine Corps Site

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