アメージング・ストーリー (2020年のテレビドラマ)

アメージング・ストーリー (2020年のテレビドラマシリーズ)

2020年、デジタル配信サービスであるApple TV+にて公開が始まった『アメージング・ストーリー』は、アメリカ合衆国で製作された一話完結型のテレビドラマシリーズです。この作品は、1985年から放送され、多くの視聴者を魅了したスティーヴン・スピルバーグ製作の同名シリーズを現代的な視点と技術で再構築したリブート版として位置づけられています。それぞれの回が独立した物語を描くアンソロジー形式を採用しており、SF、ファンタジー、ホラーといった様々なジャンルの要素が織り交ぜられています。

製作の背景と経緯

本シリーズのリブート企画が最初にメディアで報じられたのは、2015年10月のことです。当時は、NBCがユニバーサル・テレビジョンの主導のもと、新しい『アメージング・ストーリー』の制作を検討している段階でした。この時点では、オリジナル版の生みの親であるスティーヴン・スピルバーグがどの程度関与するのかは明確ではありませんでした。

事態が進展したのは、2017年10月です。新たに映像コンテンツ分野への参入を表明していたAppleが、この企画に関心を示し、全10話構成（最終的に配信されたのは5話）となる第1シーズンの制作を正式に発注しました。この決定に伴い、スピルバーグ率いるアンブリン・テレビジョンも製作パートナーとして加わることが発表され、企画に弾みがつきます。

しかし、制作過程は順風満帆ではありませんでした。2018年2月には、企画当初からショーランナーを務める予定だったブライアン・フラーが、クリエイティブの方向性の違いを理由にプロジェクトから離脱したことが報じられました。さらに、エグゼクティブ・プロデューサーの一人であったハート・ハンソンも同様に退任。こうした主要スタッフの交代劇を経て、同年5月にはエドワード・キッツィスとアダム・ホロウィッツの二人が、新たなエグゼクティブ・プロデューサー兼ショーランナーとしてチームに加わることが発表され、制作体制が整いました。スティーヴン・スピルバーグ自身も、エグゼクティブ・プロデューサーとして名を連ねています。

シーズン1と評価

リブート版『アメージング・ストーリー』のシーズン1は、全5エピソードで構成されています。各話は約50分程度の尺で、それぞれ異なる監督と脚本家によって制作され、多様な世界観と物語が展開されました。このシーズンは、2020年3月6日にApple TV+を通じて世界同時配信が開始されました。

批評家からの評価は、残念ながら賛否が分かれる結果となりました。主要な批評集積サイトであるRotten Tomatoesでは、31件のレビューに基づく批評家支持率が42%に留まり、平均評価は10点満点中4.83点と、厳しい評価が目立ちました。また、Metacriticにおいても、13件のレビューの加重平均値は50/100となり、「賛否両論または平均的」という評価に位置づけられています。オリジナル版が確立した独創性や驚きへの期待が大きかっただけに、現代版の物語や演出が、その期待に応えきれなかったという見方が多いようです。

まとめ

2020年版『アメージング・ストーリー』は、スティーヴン・スピルバーグが関与した名作を、新たなプラットフォームであるApple TV+で蘇らせようとする試みでした。製作過程での体制変更や、批評家からの厳しい反応はあったものの、現代における「不思議な物語」のアンソロジーとして、オリジナル版のファンや新規の視聴者にとって、注目の作品となりました。Apple TV+の初期のオリジナルコンテンツとして、そのラインナップに多様性を加える役割も果たしています。

※本記事の情報は、主に配信開始時点および関連報道に基づいています。

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