アモリ・スポル・オルガニザシオン

ASO：スポーツイベント界の巨人、その歴史とUCIとの激闘

Amaury Sport Organisation（ASO）、フランスを代表するスポーツメディアグループは、世界的に有名なスポーツイベントの数々を主催することで知られています。一般的には略称であるASOの名前で親しまれており、ツール・ド・フランスやダカール・ラリーといった、誰もが知る大規模な競技会の運営を担っています。

ASOの起源は、レキップ紙からツール・ド・フランスの主催権が、フィリップ・アモリによって設立されたÉditions Philippe Amaury（EPA）へと移管された1992年に遡ります。当初は自転車ロードレースに特化していましたが、現在ではダカール・ラリー、パリマラソン、フランスオープンゴルフなど、多様な競技会を傘下に収めるまでに成長を遂げました。さらに、ブエルタ・ア・エスパーニャの主催者であるUnipublic社の株式を100％取得し、その親会社としての立場も確立しています。

UCIとの激突：主導権争いと妥協

ASOと国際[[自転車競技連合]]（UCI）との間には、長年にわたる確執がありました。その発端は、UCIが2005年に創設したUCIプロツアーです。UCIはプロツアーを通じて、ツール・ド・フランスを含む主要レースへの影響力を強めようとしたと見られており、ASOはこの動きに反発しました。

特に大きな対立は、UCIプロツアーのライセンスを持つチームしか主要レースに出場できないという規定を巡って起こりました。ASOは、2007年のパリ〜ニースで、プロツアーライセンスを持つチームを招待しないという決断を下しました。このASOの強硬姿勢にUCIは折れ、ツール・ド・フランスへのワイルドカード枠が設けられることとなりました。しかし、この事件はASOとUCIの対立をさらに深める結果となりました。

ASOはその後、自身が主催するUCIプロツアー対象レースから撤退し、ジロ・デ・イタリアやブエルタ・ア・エスパーニャの主催者もこれに追随しました。UCIは、ツール・ド・フランスをUCIワールドツアーに組み込む一方で、プロツアーから離脱したレースをUCIヨーロッパツアーに格下げする措置を取りましたが、ASOはこれにも反発。両者の対立は、ツール・ド・フランスの出場チーム選考問題やパリ〜ニースの開催問題に発展し、関係修復は難航しました。

歴史的和解：困難を乗り越えて

関係修復の糸口が見えぬまま、事態は深刻化しました。ASOは、ツール・ド・フランスへの参加チームを独自に選考するなど、UCIの介入を拒否。パリ〜ニースについても、UCIの介入を許さない姿勢を貫きました。しかし、国際プロ自転車チーム連盟（IPCT）の仲介によって開催は実現するものの、この状況はASOにとって非常に困難なものでした。

最終的に、ASOの親会社であるEPAは国際オリンピック委員会の仲介を仰ぎ、2008年8月にUCIと和解にいたりました。UCIは、UCIワールドカレンダーを新たに制定。ツール・ド・フランスもこのカレンダーに含まれ、UCIとグランツール主催者間の協力体制が構築されました。この和解は、長年の確執に終止符を打ち、自転車ロードレース界の安定に貢献する大きな一歩となりました。

ASOが主催する主なスポーツイベント

ASOは、自転車競技、陸上競技、ゴルフ、モータースポーツなど、幅広い分野で数々の著名なイベントを主催しています。

自転車競技
ツール・ド・フランス
パリ〜ルーベ
パリ〜ニース
フレッシュ・ワロンヌ
リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ
パリ〜ツール
ツール・デュ・カタール
クリテリウム・アンテルナシオナル
ツール・ド・ピカルディ
ツール・ド・ラヴニール
ツール・デュ・ファソ
ツアー・オブ・オマーン

陸上競技
マラトン・ド・パリ（パリマラソン）

ゴルフ
オープン・ド・フランス（フランスオープン）

モータースポーツ
* ダカール・ラリー

ASOは、これからも世界中のスポーツファンに感動と興奮を提供し続けるでしょう。

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