アライク・ハルチュニャン

アライク・ハルチュニャンは、1973年12月14日にステパナケルトで生まれ、国際的には国家として認められていないアルツァフ共和国の政治家です。彼は、同国の大統領および最後の首相を務めました。

若齢期

ハルチュニャンは1990年にエレバン国立経済研究所に入学しましたが、1990年から1992年の間にはアルツァフ防衛軍に入隊し、ナゴルノ・カラバフ戦争に従軍しました。戦後、エレバン国立経済研究所からアルツァフ国立大学経済学部に編入し、1995年に卒業。その後、1998年にはアルツァフ国立大学大学院を修了しました。

キャリア

1994年、ハルチュニャンはアルツァフ財務経済省で大臣補佐官としてキャリアをスタートさせました。1997年に同省を退職し、民間部門へ転身。2004年までアルマグロ銀行に勤務しました。

国政

2005年、ハルチュニャンは自由なる祖国党を共同で設立し、同年の国会議会選挙で33議席中10議席を獲得しました。彼は、自由なる祖国党と自由なる祖国派の議長も務め、国会の財政・予算・経済管理委員会の委員長としても活躍しました。

アルツァフ共和国首相として

2007年、ハルチュニャンはバコ・サハキャン大統領から首相に指名されました。首相としての最初の演説では、未承認国家であるアルツァフの経済、民主主義、社会正義の復興を約束しました。彼が掲げた緊急対策には、「汚職、保護主義、氏族制度、社会悪との戦い」が含まれていました。2017年の憲法国民投票の結果、アルツァフは半大統領制から大統領制に移行し、首相職は廃止されました。ハルチュンニャンはサハキャン政権に残り、引き続き国務大臣に任命されました。

アルツァフ共和国大統領として

2020年のアルツァフ総選挙で当選し、第4代アルツァフ大統領に就任しました。大統領就任後すぐに、国民議会のステパナケルトからシュシへの移転と、アルツァフにおける全高等教育の無償化という、二つの大きな行政命令に署名しました。2020年のナゴルノ・カラバフ紛争中、アゼルバイジャン国防省は、前線を訪問していたハルチュニャンが重傷を負ったと発表しましたが、ハルチュニャン自身とアルツァフ政府はこれを否定しました。

大統領退任後

2023年8月31日、ハルチュニャンは大統領を辞任する意向を表明し、翌9月1日に辞表を提出しました。同年10月1日、アゼルバイジャン当局はアルツァフの指導者層300人を国際指名手配し、ハルチュニャンを含む大統領経験者3人は10月3日までにアゼルバイジャン国家保安局によって拘束され、首都バクーに移送されました。

褒章

ハルチュニャンは「シュシ解放」勲章と「武功十字章」2等を授与されています。また、2016年8月30日には、アルツァフ共和国への貢献と建国25周年を記念して「グリゴール・ルサボリッチ（啓蒙者グレゴリウス）」勲章が授与されました。

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