アライヴ!

『アライヴ!』は、アメリカを代表するジャズギタリスト、グラント・グリーンが1970年に発表したライブアルバムです。ニュージャージー州ニューアークのクリシェ・ラウンジでの熱気あふれる演奏が収められており、グリーンにとってキャリア初の公式ライブレコーディング作品となりました。ブルーノート・レコードよりリリースされた本作は、彼の後期のサウンドを特徴づけるファンク色を強く打ち出した作品として知られています。

音楽評論家の間でも本作は高く評価されています。オールミュージックのスティーヴ・ヒューイは、このアルバムを「グリーンがそのキャリアの後半で録音した最もファンク色が強い作品」と評し、彼のファンクギタリストとしての確信的な演奏が集約されていると指摘しています。特に、1970年代初頭以降の彼の作品の中でも、アシッド・ジャズやサンプリングの素材としても価値があり、初めて聴く人にとって最適な一枚であると推奨しています。

また、『ザ・ペンギン・ガイド・トゥ・ジャズ』のリチャード・クックとブライアン・モートンは、ブルーノートがグラント・グリーンを自然なライブ環境でもっと早く録音しなかったのは驚きだと述べた上で、ニューアークのクリシェ・ラウンジで録音された本作が、レーベルに残された彼の録音の中でも特に優れたものの一つであると称賛しています。彼らはこのアルバムを「燃えるような、汗まみれの」演奏が、その名の由来となったクラブの雰囲気にふさわしい出来栄えであると表現しています。

参加ミュージシャンは、グラント・グリーン（ギター）を中心に、クロード・バーティー（テナー・サクソフォーン）、ウィリー・ビヴェンス（ヴィブラフォン）、そしてオルガン奏者としてニール・クリークとロニー・フォスターが曲によって参加しています。さらに、アイドリス・ムハマッド（ドラムス）とジョセフ・アームストロング（コンガ）のリズムセクションが、アルバム全体の強力なグルーヴを支えています。オープニングにはバディ・グリーンによるバンド紹介も収録されており、ライブならではの臨場感を高めています。

収録曲は、クール＆ザ・ギャングの「レット・ザ・ミュージック・テイク・ユア・マインド」やドン・コヴェイ、スティーヴ・クロッパー作の「スーキー・スーキー」、ラロ・シフリン作曲の「ダウン・ヒア・オン・ザ・グラウンド」など、当時のR&Bやファンクのテイストを取り入れた意欲的な選曲が光ります。また、CDでのリイシュー盤には、ジェリー・バトラーらが手掛けた「ヘイ、ウエスタン・ユニオン・マン」、アイズレー・ブラザーズの「イッツ・ユア・シング」、そしてハービー・ハンコックの「処女航海（Maiden Voyage）」といった楽曲がボーナス・トラックとして追加収録されており、オリジナルLPの魅力をさらに深めています。

『アライヴ!』は、グラント・グリーンがジャズファンクの探求において到達した頂点の一つとして、今日でも多くのファンに愛され続けている傑作ライブアルバムです。

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