アラスカ半島

アラスカ半島

アラスカ半島は、アメリカ合衆国アラスカ州の南部に位置する半島です。太平洋とベーリング海のブリストル湾の間に位置し、南西にはアリューシャン列島が連なっています。

地理

アラスカ半島の地形は、北部と南部で大きく異なります。南側は環太平洋造山帯に位置し、地殻活動が活発なため、険しい山岳地帯が連なっています。一方、北側は数千年にわたる浸食作用によって平坦な土地が広がり、湿地帯も点在しています。海岸線もまた、北部と南部で異なる様相を見せています。

半島の付け根部分には、カトマイ国立公園が位置しています。公園内には、デニソン山（標高2,304メートル）やカトマイ山（標高2,047メートル）などの山々がそびえ立っています。この地域は、太平洋プレートが北アメリカプレートの下に沈み込む環太平洋造山帯に属しており、火山活動によって隆起してできたと考えられています。

アラスカ半島は、東西に長く弧を描くように伸びており、その長さは約800キロメートルに達します。これは、朝鮮半島の長さよりも長く、東京から札幌までの距離に相当します。

半島の北部は流氷の限界地域にあたりますが、アラスカ海流の影響を受ける南部には、流氷はほとんど流れ着きません。

気候

アラスカ半島の年間降水量は、610ミリメートルから1650ミリメートルの範囲にあります。冬の平均気温は-11℃から1℃、夏の平均気温は6℃から15℃です。沿岸地域では、激しい風雨が頻繁に発生します。

動植物

アラスカ半島は、人の手がほとんど入っていないため、多様な動植物が生息しています。マクニール川とカトマイでは、ヒグマの亜種であるUrsus arctos gyasの個体群が観察されています。また、半島全体では、カリブー、ヘラジカ、オオカミなどの哺乳類や、水鳥が多数生息しており、海岸沿いには大規模な海鳥の集団が形成されています。

クマは、険しい山岳地帯が広がる南側や、コディアック諸島、アラスカ半島のタイガ（針葉樹林）地域に多く生息しています。

アラスカ半島には、アラスカ半島国立野生生物保護区が設置されており、貴重な生態系が保護されています。また、ウニマク島に近い先端部付近の北海岸に位置するイゼンベック・ラグーンは、アラスカ州最大のラグーンであり、アマモの藻場が広がっています。このラグーンには、クロネズミガン、チュウカナダガン、ミカドガンなどのガンカモ類をはじめとする多くの水鳥や、ラッコ、トドなどの哺乳類、タイヘイヨウサケ属などの魚類が生息しており、重要な生息地となっています。一帯はイゼンベック国立野生生物保護区に指定されており、1986年にはラムサール条約登録地となりました。

外部リンク

* Alaska Peninsula National Wildlife Refuge

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