アラステア・ウィンザー (第2代コノート公爵)

アラステア・ウィンザー：栄光と悲劇の狭間で

アラステア・ウィンザー（Alastair Windsor, 1914年8月9日 - 1943年4月26日）は、イギリス王室の一員として生を受けました。彼は、ヴィクトリア女王の曾孫にあたり、コノート公爵家の継嗣アーサー王子と、第2代ファイフ公爵夫人のアレクサンドラ王女の間に誕生しました。

生い立ちと称号の喪失

アラステアは、両親の邸宅であるメイフェアのマウント・ストリート54番地で、アラステア・オブ・コノート・アンド・ストラサーンとして生を受けました。洗礼式では、ジョージ5世、スペイン国王アルフォンソ13世など、王室の重要人物が代父母を務めました。

しかし、アラステアが生まれた頃は第一次世界大戦の最中であり、イギリス国民の反独感情の高まりから、国王ジョージ5世は王家の家名をサクス＝コバーグ＝ゴータ家からウィンザー家に改名しました。さらに、1917年11月20日付の勅許状により、「グレートブリテン及びアイルランド王子・王女」の称号と「王家の殿下」の敬称は、国王の男系の孫とプリンス・オブ・ウェールズの嫡孫に限定されることとなりました。この結果、アラステアは生まれながらに有していた称号と敬称を失い、以降は母方のファイフ公爵家の推定相続人として、マクダフ伯爵の儀礼称号で呼ばれることとなりました。

軍人としての道とカナダ総督副官

アラステアはブライアンストン校とサンドハースト王立陸軍士官学校で学び、1935年に陸軍第2竜騎兵連隊に少尉として任官しました。彼の父アーサー王子が名誉連隊長を務めるこの連隊は、1936年にエジプトに駐屯しました。1939年には、カナダ総督を務めるアスローン伯爵アレグザンダーの副官に任じられ、オタワへと移り住みました。

コノート公爵の継承と突然の死

1942年、アラステアは祖父であるコノート公爵アーサー王子の死去に伴い、第2代コノートおよびストラサーン公爵の爵位を継承しました。しかし、その翌年の1943年、オタワで急逝しました。公式には「任務中の死亡」と発表されましたが、2006年に公表されたジョージ6世の個人秘書アラン・ラッセルズの日記には、異なる見解が記されています。日記によれば、アラステアは所属連隊やアスローン伯爵から無能と見なされ、煙たがられていたため、やけ酒に走り、一晩中低体温症に苦しんだ末に窓から転落死したとされています。真実は定かではありませんが、彼の若すぎる死は、多くの謎に包まれています。

アラステア・ウィンザーは、イギリス王室の一員として生まれ、様々な称号と役割を担いましたが、最終的には悲劇的な結末を迎えました。彼の生涯は、栄光と挫折、そして王室の複雑な人間関係を垣間見ることができる、興味深い物語として語り継がれています。

もう一度検索