アラビノース

L-アラビノース：血糖値上昇抑制効果が期待される五炭糖

L-アラビノースは、五炭糖に分類される単糖の一種です。自然界には、D体よりもL体のL-アラビノースが多く存在するという特徴があります。

L-アラビノースの性質と存在

L-アラビノースは、植物の細胞壁を構成するヘミセルロースの主要成分として、米や小麦などの穀類、カラマツ、イネ科植物などに豊富に含まれています。特に穀類の繊維質に多く存在しています。

また、L-アラビノース同士が結合してアラビナンを形成しており、アラビアガムやシュガービートパルプなどの成分として見られます。キシロース主鎖にα1,3結合したアラビノキシランの構成成分としても知られています。

L-アラビノースの生理作用

L-アラビノースは、砂[[糖]]の約半分程度の甘味を持ちます。しかし、小腸での吸収率が低く、α-グルコシダーゼの一種であるスクラーゼ（ショ糖分解酵素）の活性を阻害する作用があります。

このため、砂[[糖]]を含む食品と一緒に摂取すると、砂[[糖]]の吸収を抑制し、血糖値の上昇を抑える効果が期待できます。

さらに、吸収されなかった砂[[糖]]は腸内細菌によって代謝されるため、オリゴ糖と同様の健康効果が期待されています。

慶應義塾大学の研究では、マウスを用いた実験において、L-アラビノースとスクロース（ショ糖）を同時に摂取することで、特定の腸内細菌叢に作用し、酢酸やプロピオン酸といった短鎖脂肪酸の産生を促進することが示されました。短鎖脂肪酸は、腸内環境の改善や高脂肪食誘導性肥満の抑制に役立つことが知られています。

L-アラビノースを含む食品

L-アラビノースは、味噌、パン、ビール、緑茶、紅茶など様々な食品に少量含まれています。また、高純度のL-アラビノースを配合したサプリメントも販売されています。

過去には、L-アラビノースを3％添加した砂[[糖]]が特定保健用食品として販売され、「血糖値が気になる方のお砂[[糖]]」として販売されていた時期もありましたが、現在は販売されていません。この商品では、L-アラビノースの添加によって血糖値の上昇が約40％抑制できるとしていました。

まとめ

L-アラビノースは、血糖値上昇抑制効果や腸内環境改善効果が期待される、植物由来の機能性成分です。様々な食品に含まれていますが、より効果的に摂取したい場合は、サプリメントの利用も検討できます。ただし、個々の体質や健康状態によって効果は異なるため、摂取にあたっては医師や専門家への相談も考慮すると良いでしょう。 継続的な摂取による効果についても、更なる研究が必要です。

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