アラン・コルノー

アラン・コルノーは、1943年8月7日にフランスのロワレ県マン＝シュル＝ロワールで生まれました。映画監督としてのキャリアは、コスタ＝ガヴラスの助監督を務めた後、1974年の『France société anonyme』で始まりました。彼の作品は、社会派ドラマから時代劇、犯罪ドラマまで多岐にわたり、その卓越した演出力で観客を魅了しました。

1991年には、17世紀のフランスを舞台に、ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者のサント＝コロンブと、その弟子マラン・マレの師弟関係を描いた『めぐり逢う朝』を監督し、ルイ・デリュック賞を受賞。この作品は、音楽と映像美が融合した傑作として、国際的にも高い評価を得ました。

また、2007年には、ジャン＝ピエール・メルヴィルの名作『ギャング』（1967年）をリメイクした『マルセイユの決着』を監督。オリジナル版への敬意を払いながらも、独自の解釈を加えた作品として注目を集めました。

コルノーの作品は、単なる娯楽作品にとどまらず、人間の内面を深く掘り下げ、社会の矛盾や不条理を描き出すものが多く、観る者に深い感動と問いを与えます。彼の作品には、常に人間に対する温かい眼差しが感じられます。

2004年には、長年の映画界への貢献が認められ、ルネ・クレール賞を授与されました。これは、彼の映画監督としての偉業を称えるものでした。

2010年8月30日、パリの病院で67歳で亡くなりましたが、彼の作品は今もなお、世界中の映画ファンに愛され続けています。

フィルモグラフィー

Le Jazz est-il dans Harlem ? (1969) 短編
France société anonyme (1974) 共同脚本ジャン＝クロード・カリエール
真夜中の刑事 PYTHON357 (1976)
メナース (1977)
セリ・ノワール (1979) ※第32回カンヌ国際映画祭コンペティション上映
武器の選択 (1981)
フォート・サガン (1984)
一匹の狼/ロンサム・コップ (1986)
インド夜想曲 (1989)
アフガン・ボーダーを越えろ! (1990)
めぐり逢う朝 (1991) ※第42回ベルリン国際映画祭コンペティション上映、ルイ・デリュック賞受賞
アメリカの贈りもの (1995)
リュミエールの子供たち (1995)
リュミエールと仲間たち (1995)
たれ込み屋 (1997) ※「フランス映画祭横浜1998」上映題
Le Prince Du Pacifique (2000)
畏れ慄いて (2003) ※「フランス映画祭横浜2003」上映題
ワーズ・イン・ブルー (2005) ※第55回ベルリン国際映画祭コンペティション上映
マルセイユの決着 (2007) ※『ギャング』（1967年）のリメイク
ラブ・クライム 偽りの愛に溺れて (2010)


アラン・コルノーの作品は、その映像美、音楽、そして何よりも人間に対する深い洞察力によって、観る者の心を揺さぶります。彼の映画は、単なる物語の語り手ではなく、人間存在の本質に迫る芸術作品と言えるでしょう。

外部リンク

アラン・コルノー - allcinema
アラン・コルノー - KINENOTE
Alain Corneau - IMDb（英語）
Alain Corneau - BiFi （フランス語）

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