アラン・ラッド

アラン・ラッド（1913年9月3日 - 1964年1月29日）は、西部劇『シェーン』で主役のシェーンを演じたことで知られるアメリカの俳優です。小柄ながらも精悍な容姿で、1950年代のハリウッドを代表するスターとして活躍しました。

生い立ちと下積み時代

1913年、アーカンソー州ホットスプリングスで生まれたラッドは、幼い頃に父親を亡くし、母親とカリフォルニアに移住しました。高校時代はスポーツに打ち込みオリンピックを目指しましたが、怪我で夢を断念。その後、ハンバーガーショップを開業する傍ら、映画スタジオの裏方やエキストラとして働き始めました。

スターへの階段

長い下積み生活の後、1941年の映画『拳銃貸します』で非情な殺し屋役を演じ、一躍人気俳優となります。ヴェロニカ・レイクとの共演も話題となり、『ガラスの鍵』や『青い戦慄』など、フィルム・ノワール作品で主演を務めました。

『シェーン』と人気絶頂期

1953年、ジョージ・スティーヴンス監督の西部劇『シェーン』で、ラッドの人気は決定的なものとなります。正義感に溢れる流れ者のガンマン、シェーンを演じたラッドは、そのクールな佇まいと繊細な演技で観客を魅了しました。その後も西部劇を中心に活躍し、ハリウッドを代表するスターとしての地位を確立しました。

晩年と死

1950年代後半になると、ラッドの人気には陰りが見え始め、自身もノイローゼに苦しむようになります。1962年には自殺未遂を起こし、1964年、睡眠薬とアルコールの過剰摂取により、パームスプリングスで亡くなっているのが発見されました。

家族

ラッドの二番目の妻は、かつてアイドル女優として活躍し、後に俳優エージェントに転身したスー・キャロルです。彼女は無名時代のラッドの才能を見抜き、スターへの道を切り開きました。最初の妻との間に生まれた息子、アラン・ラッド・Jrは、20世紀フォックス、UA、メトロ・ゴールドウィン・メイヤーの社長を歴任した名プロデューサーであり、『スター・ウォーズ』の製作を決定した人物としても知られています。また、スー・キャロルとの間に生まれた息子、デビッド・ラッドの元妻は、テレビドラマ『チャーリーズ・エンジェル』で知られる女優のシェリル・ラッドであり、その娘ジョーダン・ラッドも女優として活躍しています。

主な出演作品

『拳銃貸します』(1941)
『ガラスの鍵』(1942)
『青い戦慄』(1946)
『シェーン』(1953)
* 『大いなる野望』(1964)

アラン・ラッドは、その短い生涯の中で数々の名作に出演し、映画史にその名を刻みました。彼の繊細な演技と、スクリーンに映し出された憂いを帯びた表情は、今もなお多くの人々を魅了し続けています。

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