アリシア・ベイ＝ローレル

アリシア・ベイ＝ローレル（Alicia Bay Laurel, 1949年 - ）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州出身の女性アーティスト、作家、そしてミュージシャンです。彼女は、自然と調和したライフスタイル「ナチュラルライフ」を提唱する人物として広く知られています。

彼女はロサンゼルスの裕福な家庭に育ちました。父は著名な整形外科医、母は彫刻家という環境です。母親の影響から、自由なボヘミアン的な生き方に憧れを抱き、高校卒業後にはヒッチハイクでアメリカ全土を旅しました。その旅の途中で、カリフォルニア州北部のオクシデンタルという漁港から内陸へ16キロほど入った森の中にある、ウィラーズ・ランチというコミューンにたどり着きます。

ウィラーズ・ランチは、非暴力主義を掲げ、人や物を傷つけないことを信条とする共同体でした。当時、約100人ほどの自由を求める人々が集まり、畑を耕し、牛や馬を飼いながら自給自足の生活を送っていました。このコミューンは、ヒッピーカルチャーを牽引する存在の一つとして、大きな注目を集めました。

コミューンでの生活から生まれたのが、彼女の代表作『地球の上に生きる』（原題：Living On The Earth）です。1970年に出版されたこの本は、自然の中で生きるための知恵やヒントが満載されており、アメリカで多くの読者を獲得しました。その後、世界中で翻訳版が出版され、日本でも1972年に草思社から翻訳版が刊行され、5万部を超えるベストセラーとなりました。特に日本では、30年以上にわたって定期的に増刷されるなど、根強い人気を誇り、2009年には総発行部数が8万部を超えました。

彼女のシンプルライフを提唱する姿勢は、現在も変わることはありません。文章、イラスト、音楽など、様々な表現方法を通じて、その思想を伝え続けています。

1973年には、日本語版の出版に合わせて出版社に招かれて初来日しました。近年では、エコロジー運動の高まりとともに再評価され、ap bankがプロデュースする環境と暮らしを考えるプロジェクト「kurkku」の企画で原画展やライブイベントを行うなど、数回来日しています。

主な作品

書籍
Living On The Earth（原語版）
地球の上に生きる（草思社、深町眞理子訳）
太陽とともに生きる（草思社、深町眞理子訳）

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