アリソン J33

アリソンJ33ターボジェットエンジンについて

アリソンJ33は、アメリカ合衆国で開発された遠心式圧縮機を搭載したターボジェットエンジンです。このエンジンは、第二次世界大戦中にフランク・ホイットルによって設計されたジェットエンジンの構想を基にしており、ゼネラル・エレクトリックがターボチャージャーの技術を持ち込むことで、アレンジを加えて製造されるに至りました。最初のモデルはJ31として知られ、後にJ33に進化しました。

開発の経緯

J33は、アメリカ陸軍の要求に応じて推力を4,000ポンドに引き上げた新型エンジンとして開発されました。そして、1945年にはアリソン・エンジン社に生産が移管されました。これにより、J33は戦後のアメリカ軍機において主力エンジンの一つとなったのです。

日本におけるオーバーホール

1954年7月、日本の川崎航空機はジェットエンジンのオーバーホール事業を開始するために特別な準備室を立ち上げました。この取り組みは、アメリカのロッキード・エアクラフト・サービス・オーバーシーズ（LASO）との技術提携によって進められました。川崎航空機は18名の技術作業員を受け入れ、オーバーホールのための契約提案を行いました。その後、熱処理メッキ工場や修理組立工場が整備され、米軍の品質管理基準を導入することで、高い品質のエンジンオーバーホールが実現しました。

このプロセスを通じて、川崎航空機は近代的な生産技術や品質管理手法を習得し、その後のジェットエンジン事業の発展の基盤が築かれました。1990年までに、航空自衛隊向けに3800台以上のジェットエンジンをオーバーホールしています。

J33の派生機種と搭載機

アリソンJ33にはいくつかの派生モデルが存在し、それぞれ異なる推力を提供しています。例えば、J33-A-21は推力20 kN（2043 kgf）、J33-A-23は20.5 kN（2088 kgf）、J33-A-35は24 kN（2450 kgf）を発揮します。さらに、J33-A-33はアフターバーナー付きで26.7 kN（2720 kgf）、J33-A-24は27.1 kN（2770 kgf）を誇ります。これらのエンジンは、さまざまな航空機に搭載されており、特に以下の機種が知られています：

• - コンベア XF-92
• - F-94A / B スターファイア
• - MGM-1 マタドール
• - MGM-13 メイス
• - SM-62 スナーク
• - T-33 シューティングスター

J33-A-35の仕様

その中で、J33-A-35の仕様は以下の通りです。

• - 全長： 2,718 mm
• - 外径： 1,283 mm
• - 重量： 813 kg
• - 推力： 11,750 rpmで20.4 kN、水 - アルコール注入で24 kN
• - 推力/重量比： 25.1 N / kg
• - 圧縮機： 単段遠心両面吸い込み
• - 燃焼器： 多缶型燃焼器
• - タービン： 軸流1段
• - 空気流量： 39 kg/s
• - 圧縮比： 4.4

アリソンJ33はその優れた性能から、多くの航空機に使用され、航空技術の進展にも寄与しました。

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