アリ・ファザル

アリ・ファザル：ボリウッドの才能あふれる俳優

アリ・ファザル（Ali Fazal、1986年 10月15日 - ）は、インドのボリウッドを中心に活躍する俳優、モデルです。彼のキャリアは、映画、テレビシリーズ、ウェブシリーズと多岐にわたり、その才能はインド国内に留まらず、国際的な舞台でも高く評価されています。

生い立ちと教育

アリ・ファザルは、ラクナウで生まれ育ちました。彼の家族はイラーハーバード出身で、ガンジス川に近い自然豊かな村で幼少期を過ごしました。父親は中東の商社に勤務しており、両親は別居していたため、彼は主に母方の祖父母の元で育ちました。両親が正式に離婚したのは彼が18歳の時でした。ラクナウのラ・マルティニエール・カレッジとデヘラードゥーンのドゥーン・スクールで教育を受け、学業と並行して演劇活動にも積極的に参加しました。

2004年には学校の演劇に参加し、『テンペスト』の道化師トリンキュロー役を演じました。その後、ムンバイのセント・ザバーズ大学に進学し、経済学を専攻しました。

キャリアの軌跡

2008年 - 2011年：デビューと初期の挑戦

2008年、アリ・ファザルは『The Other End of the Line』で俳優としてデビューしましたが、この作品は興行的に成功を収めることはできませんでした。2009年8月には、テレビシリーズ『Bollywood Hero』でモンティ・カプール役を演じました。大学在学中には舞台演劇にも出演し、その演技がサイード・アクタル・ミルザの目に留まり、『Ek Tho Chance』への出演が決まりました。この作品は、第14回ケーララ国際映画祭でプレミア上映されました。

2009年12月には、ラージクマール・ヒラーニ監督の『きっと、うまくいく』に出演し、大きな注目を集めました。この作品は、アーミル・カーン、カリーナ・カプール、R・マーダヴァン、シャルマン・ジョーシーといった豪華キャストが出演し、アリ・ファザルにとっても貴重な経験となりました。『きっと、うまくいく』は、全世界で46億ルピーの興行収入を記録する大ヒットとなり、当時のボリウッド映画の歴代興行成績第1位となりました。

2011年には、シャー・ルク・カーンがプロデュースした『Always Kabhi Kabhi』で主演を務めました。この作品では、ジセリ・モンテイロと共演し、役作りのために15キログラムの減量を行いました。『Always Kabhi Kabhi』は批評家からは厳しい評価を受けましたが、興行的には成功を収めました。アリ・ファザル自身は、この作品への出演を自身のキャリアにおいて好ましくないものと位置付けています。

2013年以降：多様な役柄への挑戦

2013年、アリ・ファザルはムリグディープ・シン・ランバー監督の『フックレーないない尽くしの男たち』でミュージシャンのザファル役を演じました。同年10月には、『間違いの喜劇』をパロディ化した『Baat Bann Gayi』に出演し、シンガポール出身の有名小説家カビールとギャングのボスのラーシヤー・ビハーリーの二役を演じました。

2014年には、『Bobby Jasoos』でヴィディヤー・バーランと共演しました。当初、アリ・ファザルはこの作品への出演をためらっていましたが、ヴィディヤーとの「一風変わったロマンス」を演じることを知り、出演を決意しました。同年10月には、『Sonali Cable』でリア・チャクラボルティーと共演し、初めてロマンス・ソングシークエンスを演じました。

2015年には、『Khamoshiyan』でアルコール依存症の小説家カビール役を演じました。この作品で、アリ・ファザルの演技は高く評価されました。同時期に、アメリカ合衆国のテレビシリーズ『HOMELAND』への出演オファーを受けましたが、『Khamoshiyan』の撮影に専念するため辞退しました。また、この年には『ワイルド・スピード SKY MISSION』に出演し、ハリウッドデビューを果たしました。

2016年には、アーナンド・L・ラーイがプロデュースした『Happy Bhag Jayegi』でアバイ・デーオール、ダイアナ・ペンティと共演し、批評的にも興行的にも成功を収めました。2017年には、『ヴィクトリア女王最期の秘密』でジュディ・デンチと共演し、ヴィクトリア女王の従僕アブドゥル・カリム役を演じました。2019年には、ティグマーンシュ・ドゥーリア監督の『Milan Talkies』でシュラッダー・シュリーナートと共演しました。

人物像と社会貢献

アリ・ファザルは、2014年にザ・タイムズ・オブ・インディアの「最も好ましい男性」の一人に選出され、2019年にはボリウッド映画ジャーナリスト賞のインダストリー・トレンドセッター賞を受賞しました。

彼は、社会貢献活動にも熱心に取り組んでおり、2015年にはニューデリー・テレビジョンとフォーティス・ヘルスケアが共同で開催したイベントに出演し、癌に関する意識向上を訴え、闘病中の児童のための資金を集めました。また、トーチ・ライナーと共にミュージカル・コンサートを開催し、2015年5月のネパール地震の義援金を集めました。

私生活では、2016年に『フックレーないない尽くしの男たち』で共演したリチャー・チャッダーとの交際を公表しました。2人は2020年4月に結婚式を挙げる予定でしたが、新型コロナウイルスの流行により延期となりました。

アリ・ファザルは、その才能と社会貢献活動を通じて、多くの人々に影響を与え続けています。今後の彼の活躍から目が離せません。

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