アルジェシュ県

アルジェシュ県（ルーマニア）

アルジェシュ県は、ルーマニア南部のワラキア地方に位置する県で、県都はピテシュティです。周辺をドゥンボヴィツァ県、ヴルチャ県、オルト県、シビウ県、ブラショフ県、テレオルマン県と接しています。

人口構成

2021年の国勢調査によると、人口は約57万人で、その97%をルーマニア人が占めています。少数民族としてはロマなどがいます。

地理

県の総面積は約6,862平方キロメートルで、地形は大きく3つに分けられます。

北部: 南カルパチア山脈に属するファガラシュ山脈（標高2,400メートル以上）が連なっています。北東部にはレアオタ山脈もあります。ファガラシュ山脈とレアオタ山脈の間には、ブラショフへ向かうルカール＝ブラン峠があります。
中央部: 標高800メートル前後のカルパチア山脈の丘陵地帯で、深い谷が刻まれています。
南部: ワラキア平野の北部に位置します。

県内を流れる主な河川はアルジェシュ川で、その他にも多くの河川が山地を源流としています。南部にはヴェデア川やテレオルマン川が流れています。

経済

アルジェシュ県はルーマニア国内でも産業化が進んだ地域です。石油精製所や、ミオヴェニには自動車工場（ダチア、ARO）があります。

主要な産業は以下の通りです。

自動車製造業
化学工業
電子部品製造業
住宅設備業
食品製造業
織物産業
建設資材生産

県の中央部と南部では原油が産出され、数カ所に石炭鉱山があります。ミオヴェニ近郊には原子力研究施設と、チェルナヴォダ原子力発電所で使用される原子力燃料の生産施設があります。アルジェシュ川流域には多くの水力発電所があり、特にヴィドラル水力発電所とダムが有名です。

丘陵地帯はワイン生産や果樹栽培に適しており、南部では穀物生産が盛んです。

観光

アルジェシュ県には多くの観光スポットがあります。

ピテシュティ: 県都であり、様々な観光施設があります。
クルテア・デ・アルジェシュ: ルーマニアで最も美しい修道院の一つがあります。
クンプルング: 歴史的な街並みが残っています。
ファガラシュ山脈、レアオタ山脈: 登山やハイキングを楽しめます。
ポエナリ城: ワラキア公ヴラド・ツェペシュ（ドラキュラ公）が築いた要塞の跡です。
コトメアナ修道院：歴史的な修道院です。

行政区分

アルジェシュ県は、3つの都市、4つの町、95の基礎自治体で構成されています。

主な都市と町:

ピテシュティ
クンプルング
クルテア・デ・アルジェシュ
ミオヴェニ
コステシュティ
トポロヴェニ
シュテファネシュティ
ウダ
クカ
コトメアナ
* ドブレシュティ

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