アルジェトラム

アルジェトラムについて

アルジェトラム（トラムワイ・アルジェ、またはアルジェリアのトラム）は、アルジェリアの首都アルジェ内で運行される近代的な路面電車です。この路面電車は2011年に運行を開始し、国内初の近代的なトラムシステムとして注目されています。アルジェトラムは、都市内の公共交通機関として重要な役割を果たし、利用者の交通の便を大きく改善しました。

歴史と背景

アルジェには長い間、公共交通のための高度なシステムが存在していました。1892年にはフランス領時代に開通した路面電車がありましたが、1962年には廃止されています。1984年には、新しい軌道交通の導入を目指し、国営企業EMA（アルジェメトロ企業）が設立され、その後の長期的な計画を策定しました。計画はさまざまな要因から進展が遅れましたが、2006年にフランスのアルストムを含むコンソーシアムと契約を結んだことで、本格的な工事が始まりました。

2011年5月8日、アルジェトラムの初の運行区間が開通し、ボルジ・エル・キッファン地区とゼルフーニ・モフタールを結ぶ7.2kmの区間が利用可能となりました。翌年にはさらなる延伸が実現し、2014年にはカフェ・シェルグイ方面、2015年にはデルガナ・サントルへの延伸も行われました。これにより、トラムの利便性は大幅に向上しました。

運営とサービス

当初、フランスの交通運営企業がトラムの運営を担当していましたが、契約問題によって撤退したことから、現在ではETUSA（アルジェ公共交通企業）やRATPデヴなどと共同でSETRAMが運営を行っています。運営開始以降、利用者数は継続的に増加しており、2015年には約1960万人の年間利用客が、その後2018年には2450万人に達しました。

2019年時点で、アルジェトラムは全長23.2kmの路線を持ち、38の停留所があります。運行は日曜日から木曜日のラッシュアワーには4分間隔で行われ、全区間の所要時間は約72分です。運賃は片道40ディナールで、ほかにも24時間券や定期券も用意されています。特にラマダーン期間中は運行時間が延び、特別なサービスも行われるなど、地域の文化に合わせた運営がされています。

車両

アルジェトラムで使用されている車両は、アルストム製のシタディス402というモデルです。この車両は、冷房が完備されており、快適な乗車体験を提供します。2020年には41両が運行しており、導入時には10年間のメンテナンス契約も結ばれています。

今後の展望

最近では、延伸プロジェクトが進められており、デルガナ地区からアイン・タヤ地区への接続が計画されています。運営会社は、車両の点検を実施し、新たな車両の導入も見据えています。これにより、さらに多くの人々がアルジェトラムの恩恵を受けることが期待されています。

まとめ

アルジェトラムは、アルジェ市民にとって欠かせない交通手段として、中長期的な計画によって成長を続けています。今後の延伸やサービス向上に期待が寄せられます。

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