アルスター・ラグビー

アルスター・ラグビー (Ulster Rugby)

北アイルランドの州都ベルファストに本拠地を置く、アイルランドを代表するプロフェッショナルラグビーユニオンクラブ。南アフリカ共和国、ウェールズ、スコットランド、アイルランド、イタリアの強豪が集う国際リーグ、ユナイテッド・ラグビー・チャンピオンシップ（URC）の一員として活動している。ホームグラウンドは歴史あるレイヴンヒル・スタジアム。

歴史

アルスター・ラグビーの起源は古く、1879年に北部アイルランドを代表するチームとして創設された。ラグビーユニオンがアマチュアスポーツだった時代には、アイルランド国内の地域代表クラブであるアルスター、レンスター、マンスター、コナートが年間を通じて激しい対抗戦を繰り広げていた。この時期、アルスターは強豪として名を馳せ、1946年から1994年の間だけで26回の優勝を記録している。

プロフェッショナル時代へと移行後、チームは新たな舞台で飛躍を遂げる。1998-99シーズン、欧州最高峰のクラブ選手権であるハイネケンカップ（現在のヨーロピアンラグビーチャンピオンズカップ）において、チーム史上初めてグループステージを突破し、決勝進出を果たす。決勝ではフランスの強豪USコロミエを21対6で破り、見事優勝杯を獲得。これは、アイルランドのクラブとして初めての欧州制覇という、歴史的な快挙であった。

国内リーグにおいても、アルスターは栄光を手にする。2003-04シーズンのケルティックリーグ（URCの前身）では最終節で惜しくも敗れ2位に終わったが、翌2004-05シーズンにはライバルであるレンスターを得失点差わずか1ポイントで上回り、チームにとってリーグ戦初優勝を飾った。

その後数シーズンは、2007-08シーズンから2009-10シーズンにかけてリーグ下位に低迷する時期もあったが、2010-11シーズンに3位に浮上して復調の兆しを見せる。そして2011-12シーズンには再びハイネケンカップの決勝の舞台に進出。惜しくも同国のアイルランド代表選手が多く所属するレンスターに敗れ準優勝となったものの、欧州での競争力を再び示した。

タイトル

プロフェッショナル化以降にアルスター・ラグビーが獲得した主要タイトルは以下の通り。

ユナイテッド・ラグビー・チャンピオンシップ (URC) （旧ケルティックリーグ/プロ14）
優勝: 2004-05シーズン
ヨーロピアンラグビーチャンピオンズカップ (EPCR) （旧ハイネケンカップ）
優勝: 1998-99シーズン

歴代所属選手

アルスター・ラグビーには、世界各国の代表クラスの選手たちが数多く在籍してきた。その一部を以下に紹介する（過去に所属していた選手の一部）。

ルアン・ピナール (Ruan Pienaar): 南アフリカ代表として88キャップを持ち、現在はチーターズでプレー。
ドウェイン・フェルミューレン (Duane Vermeulen): 南アフリカ代表76キャップ、2015年、2019年、2023年とワールドカップに3大会連続出場した世界的なNo.8。
マルセル・クッツェー (Marcell Coetzee): 南アフリカ代表31キャップ、現在はブルズに所属。
チャールズ・ピウタウ (Charles Piutau): ニュージーランド代表17キャップ、トンガ代表1キャップ。卓越したスキルを持つユーティリティBKで、現在は静岡ブルーレヴズに所属。
ティモジ・ナグサ (Timoci Nagusa): フィジー代表33キャップを持つパワフルなウイング。
トミー・シーモア (Tommy Seymour): スコットランド代表55キャップ。
ジョン・アフォア (John Afoa): ニュージーランド代表36キャップを誇るベテランPR。
ジョーディ・マーフィー (Jordi Murphy): アイルランド代表30キャップ、2015年・2019年ワールドカップ出場。
ローリー・サザーランド (Rory Sutherland): スコットランド代表33キャップを持つPR。
サム・カーター (Sam Carter): オーストラリア代表16キャップを持つLO。
クリス・ファレル (Chris Farrell): アイルランド代表9キャップ、現在はマンスターに所属。
ヘンリー・スパイト (Henry Speight): オーストラリア代表19キャップ。
フィロ・パウロ (Filo Paulo): サモア代表37キャップを持つLO/FL。
ピーター・ネルソン (Peter Nelson): カナダ代表7キャップ。

これらの選手たちは、アルスターの一員としてチームの成功に貢献し、その後のキャリアでも活躍を続けている。

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