アルセロール

アルセロール (Arcelor)

アルセロールは、ルクセンブルクに本社を置いていた鉄鋼メーカーです。2006年にミッタル・スチールによる敵対的買収を受け、現在はアルセロール・ミッタルとなっています。最盛期には粗鋼生産量でヨーロッパ最大、世界でも第2位を誇りました。

特徴

アルセロールは、自動車用などの薄板類に強みを持つフランスのユジノールと、条鋼類を主力とするルクセンブルクのアーベットが統合して誕生しました。この統合により、幅広い品種において欧州で大きなシェアを獲得しました。

主力工場は西ヨーロッパに位置し、その他にアルセロール・ブラジルやカナダのドファスコなどを子会社として抱えていました。

沿革

鉄鋼不況の時代、2001年にユジノール、アセラリア、アーベッドの3社が合併してアルセロールが発足しました。そのルーツは古く、アーベッドは戦前にドイツのゲルゼンキルヒェン鉱業を買収しています。また、ユジノールの母体であるヴァンデル・シデロールの建設部門は、ポンタ＝ムッソン（現サンゴバン）によって独占されていました。

2006年、ミッタル・スチールがアルセロールに対し敵対的買収を仕掛けました。買収額は269億ユーロ（1株あたり40.44ユーロ）に達し、個人株主の持ち株の4割を取得。同年6月25日、合併新会社「アルセロール・ミッタル (Arcelor Mittal) 」が誕生しました。

会社統合は2007年夏に完了する予定でしたが、2006年8月には両社の経営陣が統一され、実質的な経営統合が完了しました。当初、合併から3年間は両社の共同経営とする取り決めがありましたが、同年11月には旧アルセロール出身の役員が解任され、ラクシュミー・ミッタルが全権を掌握しました。同時に、Web 2.0テクノロジーを用いたウェブTVとブログが開設され、新ブランドの発表会も配信されました。

日本製鉄との提携

アルセロールは、前身のユジノール時代から日本製鉄（旧新日本製鐵）と自動車用超高密度高張力鋼板「ハイテン」に関する技術提携を結んでいました。アルセロール発足後もこの提携は維持され、日本製鉄はアルセロールを通じて欧州の日系自動車メーカーに「ハイテン」を供給できる体制を確立しました。

また、中国では日本製鉄や中国鉄鋼最大手の宝山鋼鉄と合弁で、自動車用鋼板の生産工場を展開していました（宝鋼50％、新日鉄38％、アルセロール12％）。

外部リンク

アルセロール(英語)
[[アルセロール・ミッタル]](https://corporate.arcelormittal.com/)
* ArcelorMittal Web TV

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