アルゼンチン軍

アルゼンチン軍の概要

アルゼンチン軍（スペイン語: Fuerzas Armadas de la República Argentina）は、アルゼンチンの軍事組織であり、国家の防衛を担っています。2018年時点では総勢74,200人の人員を擁し、陸軍、海軍、空軍の三軍に加えて、国境警備を担当する国家憲兵隊と沿岸警備隊という二つの治安組織で構成されています。

組織構成

アルゼンチン軍は、国防省の管轄下に置かれ、以下の5つの軍種と2つの治安組織で構成されています。

国防省（MINDEF）
アルゼンチン陸軍（EA）
アルゼンチン海軍（ARA）
アルゼンチン空軍（FAA）
内務省（MININTERIOR）
アルゼンチン国家憲兵隊（GNA）：国境警備や重要拠点の警備を担当
アルゼンチン沿岸警備隊（PNA）：領海と内水河川の警備を担当

また、軍の運用を統括する機関として、以下の組織が存在します。

国軍合同参謀本部（EMCFA）：各軍の指揮権を集約
戦略情報国家局（DNIEM）
軍地理機関（IGM）
国軍情報機関（IIFA）
国軍科学技術研究センター（CITEFA）
アルゼンチン平和維持活動共同訓練センター（CAECOPAZ）

防衛戦略と国防法

アルゼンチン軍は伝統的に、アメリカ合衆国との防衛協力関係を維持しており、兵器供給もアメリカから受けています。また、イスラエル、ドイツ、フランス、スペイン、イタリアなど、他の国々からも兵器を導入しています。

2006年、ネストル・キルチネル大統領は国防法の執行を推進し、軍の役割を外国勢力からの攻撃に対する防衛に限定しました。これにより、各軍の指揮権は国軍合同参謀総長に集約され、軍組織の近代化が図られました。

国際活動

アルゼンチン軍は、国際平和維持活動にも積極的に参加しています。湾岸戦争では、ラテンアメリカで唯一、軍艦と輸送機を派遣しました。また、国際連合平和維持活動（PKO）にも参加しており、キプロス、ハイチ、コソボ、ボスニア・ヘルツェゴビナなど、世界各地に部隊を派遣しています。

主な派遣先（2006年時点）
ハイチ：国際連合ハイチ安定化ミッション（MINUSTAH）
キプロス：国際連合キプロス平和維持軍（UNFICYP）
コソボ：北大西洋条約機構（NATO）主導のコソボ治安維持部隊（KFOR）および国際連合コソボ暫定行政ミッション（UNMIK）
ベルギー：NATO、ICC-SHAPE
ボスニア・ヘルツェゴビナ：欧州連合部隊（EUFOR）

その他にも、国際連合休戦監視機構（UNTSO）、国際連合西サハラ住民投票ミッション（MINURSO）、国際連合リベリア・ミッション（UNMIL）、国際連合コンゴ民主共和国安定化ミッション（MONUSCO）、国際連合スーダン派遣団（UNMIS）、国際連合コートジボワール活動（UNOCI）などに監視員を派遣しています。

参考情報

国防省: Ministerio de Defensa de la República Argentina
内務省: Ministerio del Interior
国軍合同参謀本部: Estado Mayor Conjunto de las Fuerzas Armadas
陸軍: Ejército Argentino
海軍: Armada de la República Argentina
空軍: Fuerza Aérea Argentina
国家憲兵隊: Gendarmería Nacional Argentina
* 沿岸警備隊: Prefectura Naval Argentina

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