アルタード・ステーツ/未知への挑戦

映画『アルタード・ステーツ/未知への挑戦』

『アルタード・ステーツ/未知への挑戦』は、1979年に公開されたアメリカのSF映画で、監督はケン・ラッセルが務めています。この映画は、ジョン・C・リリー博士による感覚遮断実験と変性意識状態をテーマにしており、探究心あふれる主人公が生命の根源に迫る過程を描いています。

ストーリー概要

映画は、主人公エドワードが知的探究の旅に出るところから始まります。彼は人間の進化の歴史を遡り、それを通じて生命の本質を解明しようとします。その手段として採用されたのが、アイソレーション・タンクを使用した幻覚の研究です。この装置は、外部からの刺激を遮断し、内面的な体験を促進するためのものです。しかし、エドワードは女性人類学者であるエミリーと出会い、結婚することで、研究は一時的に中断されてしまいます。

やがて家族ができ、順調な生活を送るエドワードですが、彼の内なる探究心は消えることなく、再び研究にのめり込むことを決意します。彼はメキシコの秘境で入手した幻覚剤を用い、アイソレーション・タンクに入ることで、自身を実験台としてさらに深い意識の変容を経験します。この過程で、彼の身体には予期しない変化が生じ、物語はスリリングな展開を迎えます。

スタッフと制作背景

この映画の原作は、パディ・チャイエフスキーによるもので、特殊効果を担当したのはディック・スミス、音楽はジョン・コリリアーノが手がけました。また、当初はアーサー・ペンが監督を務める予定だったものの、最終的にはケン・ラッセルがその座に就任しました。

興味深いことに、チャイエフスキーはラッセルの演出スタイルに不満を抱き、最終的に脚本のクレジットから自らの名前を削除するよう要求しました。そのため、映画のクレジットには彼のミドルネームをもとにした変名が使われています。

キャスト

映画には多くのキャストが登場しており、特にエドワード役の俳優のパフォーマンスが注目されました。また、1986年にはテレビ朝日での放送も行われ、多くの視聴者に親しまれました。

論争と評価

公開当時、この映画は『ロッキング・オン』誌と『宝島』誌の間で解釈や評価を巡る論争を引き起こしました。特に渋谷陽一のコラムでは「西洋の行き詰まりに未開社会の文化を導入する」といった批評がされ、論争は盛り上がりました。このように、作品はその内容とともに、様々な視点からの評価を受け続けています。

『アルタード・ステーツ/未知への挑戦』は、観る者に強烈な印象を残す一作です。変性意識や生命の本質に対する考察を通じて、私たち自身の存在について省察させる作品であり、今なお多くの人々に語り継がれています。

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