アルテイル

アルテイル：オンラインカードゲームの興亡

アルテイルは、デックスエンタテインメントが開発したオンラインカードゲームです。トレーディングカードゲーム（TCG）と誤解されがちですが、TCGとは異なり、FLASHを用いてブラウザ上で手軽に遊べるのが特徴でした。スマートフォンが普及する以前の2004年にサービスを開始し、PCで本格的なカードゲームを楽しめる貴重な存在として、TCGファンを中心に人気を集めました。

歴史

2004年：サービス開始
2006年11月1日：アルテイルネットのサービス開始
2018年8月6日：FLASH版アルテイルのサービス終了
2018年10月25日：スマートフォンアプリ「アルテイルNEO」として再始動
* 2019年11月29日：アルテイルNEOサービス終了

運営は、デックスエンタテインメントから株式会社ゲームポット、株式会社GPコアエッジ（ゲームポット子会社）、そして株式会社コアエッジ（独立）へと、4社に渡って引き継がれました。

概要

基本プレイは月額無料で、アイテム課金制が採用されていました。2007年 9月には会員数が45万人に達するなど、人気を博しました。アルテイルのカード資産を流用できるゲームとして、「ラヴァートヒーローズ」や「アルテイル2」が存在し、さらにこれらのゲームで使用されるカードの絵柄は、「ミラージュマスター（神経衰弱）」や「ナポレオン」といった異なるジャンルのゲームでも利用されました。これらのゲームは同一IDでプレイ可能であり、「アルテイルネット」というカードゲームコミュニティを形成していました。

特徴

プレイヤーは神のカードを操る「使役者（イクサー）」となり、ネットワーク上で他のプレイヤーと対戦します。プレイヤー同士の対戦を重視したゲームデザインが特徴です。「ラヴァートヒーローズ」は、マジック:ザ・ギャザリングなどの多くのカードゲームと同様に、山札からカードを引いて手札を増やすデッキ制を採用しています。一方、「アルテイル」と「アルテイルII」では、全てのカードを最初から手札として持つファイル制を採用している点が大きく異なります。「ミラージュマスター」を除く4つのゲームでは、レーティングポイントによってプレイヤーの強さが評価されます。

あらすじ

物語の舞台は、ラヴァートと呼ばれる世界。そこでは神々が覇権を争っていましたが、突如として異世界からの侵略者「バトラ」が現れます。神々はラヴァートを守るため、英雄や生命の力をカードに封じ、イクサーと呼ばれる人々に授けました。イクサーはカードを操り、バトラの脅威からラヴァートを守るために戦います。

カードの種類

カードは大きく分けて、直接戦闘を行うユニットカードと、戦闘をサポートするグリモアカードの2種類があります。ユニットカードの中には、特別なルールを持つ「ネームドカード」が存在します。全てのカードには神族が設定されており、リフェス、ローティア、ゴウエン、ファルカウの4種類に分類されます。これらの神族はそれぞれ色で区別され、黄色、紫、赤、青で表現されますが、白、黒、赤、青と呼ばれることもあります。「アルテイル」と「アルテイルII」では、カードを使用するために、対応する神族の影響力を一定値まで上げる必要があります。複数の神族を持つカードも存在し、使用には対応する全ての色に対応した影響力が必要です。

事件・問題

壊れ商法問題

新カードパックの発売時や大規模なカード修正の際に、ゲームバランスを著しく崩壊させる「壊れカード」が登場することが頻繁にありました。これにより、壊れカード中心のデッキが蔓延し、他のデッキでは対抗が難しい状況が発生しました。壊れカードを入手しなければゲームにならないという状況は、ユーザーの不満を招きました。

その後、運営は数ヶ月後に壊れカードの能力を下方修正することでゲームバランスを調整しましたが、壊れカードの購入を余儀なくされたユーザーからの反発は避けられませんでした。このような事態が繰り返された結果、ユーザーは運営への不信感を募らせ、カードの価値は一時的なものと認識されるようになりました。

この背景には、壊れカードによって短期的な売り上げを伸ばそうとする運営側の意図があったと考えられますが、結果としてゲーム環境の悪化とユーザー離れを招きました。「アルテイル目安箱」という意見交換の場が設けられましたが、コメントの規制や修正内容に疑問が残る点が多く、「カオス箱」と揶揄されることもありました。

その他の情報

参加イラストレーター

多くのイラストレーターがアルテイルのカードイラストを手がけました。

スタッフ

ゲームマスター：立源寺（宮本貴志）

その他、クロスオーヴァー、御使いB、鬼切、BeeBee、GoTo店長、弓士、ラザート・バウセス、解説のフジノさん、DJ-ONIGIRIなどが開発に携わりました。

コラボレーション

コルムオンライン、DecoOnline、飛天online、ディメンション・ゼロ、電撃OnlineGAMES、桃色大戦ぱいろんなど、様々なオンラインゲームやコンテンツとのコラボレーションカードが存在しました。

トレーディングカード

2007年 6月には、オフィシャルトレーディングカードの第1弾が発売されました。

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