アルテリウイルス科

アルテリウイルス科（Arteriviridae）は、ウイルス分類における一科であり、ニドウイルス目に属します。アルテリウイルス科に属する属は、現在アルテリウイルス属のみです。

特徴

ビリオン: エンベロープを持つ球形粒子で、直径は45-60nm程度です。
ゲノム: 一本鎖プラスRNAをゲノムとして持ちます。
増殖: ウイルスの増殖は細胞質内で行われ、小胞体やゴルジ装置から出芽することで成熟します。

分類

アルテリウイルス科は、アルテリウイルス属のみで構成されています。アルテリウイルス属には、以下のウイルスが含まれます。

ウマ動脈炎ウイルス（Equine arteritis virus）
乳酸脱水素酵素ウイルス（Lactate dehydrogenase-elevating virus）
ブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルス（Porcine reproductive and respiratory syndrome virus）
サル出血熱ウイルス（Simian hemorrhagic fever virus）

関連疾患

アルテリウイルス科のウイルスは、様々な動物に感染症を引き起こします。代表的なものとして、以下の疾患が挙げられます。

ウマウイルス性動脈炎: ウマ動脈炎ウイルスによる感染症で、発熱、呼吸器症状、流産などを引き起こします。
豚繁殖・呼吸障害症候群（PRRS）: ブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルスによる感染症で、繁殖障害や呼吸器症状を引き起こし、養豚業界に大きな経済的損失を与えています。
サル出血熱: サル出血熱ウイルスによる感染症で、発熱、出血、臓器不全などを引き起こし、致死率が高いことで知られています。

アルテリウイルス科のウイルスは、宿主域や病原性が異なる様々な種類が存在し、獣医学的に重要なウイルスのグループです。

参考文献

大里外誉郎　『医科ウイルス学 改訂第2版』　南江堂　2000年　ISBN 4524214488
見上彪監修　『獣医感染症カラーアトラス』　文永堂出版　2006年　ISBN 4830032030

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