アルトゥル・シュナーベル・コンクール

アルトゥル・シュナーベル・コンクール（Artur-Schnabel-Wettbewerb）は、ドイツの首都ベルリンにあるベルリン芸術大学が開催する、ピアノを対象とした音楽コンクールです。

コンクールの参加資格は、歴史的に変化してきました。かつては、同じくベルリンに位置するハンス・アイスラー音楽大学ベルリンの在学生にも出場が認められていた時期がありましたが、2024年現在においては、ベルリン芸術大学に在籍する学生のみが対象となっています。このため、現状では事実上、ベルリン芸術大学内の学内コンクールとして運営されています。

学内コンクールでありながらも、アルトゥル・シュナーベル・コンクールには賞金が設定されています。ただし、その賞金は複数の入賞者間で分割して授与される形式が取られることも少なくありません。

このコンクールが特異なのは、一般的な学内コンクールとは異なり、過去に多くの入賞者が国際的な主要音楽コンクールへと進出し、世界的な舞台で活躍する著名なピアニストを多数輩出してきたという点です。例えば、日本のピアニストである北村朋幹氏も、過去にこのコンクールで第一位を受賞しています。こうした実績により、かつては学内コンクールという枠を超えた権威と注目度を持っていました。

しかしながら、近年はその性格に変化が見られるという指摘もあります。コンクールが学内で行われるという性質が強まるにつれて、結果として同じ師事教授を持つ学生たちが上位入賞を占める傾向が顕著になりつつあり、それに伴ってコンクールがかつて持っていた国際的な地位や影響力が低下しているという見方も存在します。それでもなお、ベルリン芸術大学の学生にとっては重要な登竜門の一つであり続けています。

以下に、過去の主な第一位受賞者を記します。

過去の主な第一位受賞者

1986年 Hie-Yon Choi
1987年 該当者なし
1989年 田部京子
1990年 Markus Groh
1992年 Daniel Goiti
1994年 Cristina Marton
1995年 Karina Jermaka
1997年 岡田将
1998年 Severin von Eckardstein
2000年 該当者なし
2001年 Gergely Bogányi
2002年 該当者なし
2004年 Benjamin Moser, アレクサンドル・ヤコブレフ(同着)
2005年 Mi-Yeon Lee
2007年 Eugen Dietrich, Li-Chun Su
2008年 該当者なし
2010年 Herin Sung, Kyoko Kaise
2011年 該当者なし
2013年 該当者なし
2014年 北村朋幹
2016年 Chao Wang
2017年 該当者なし
2019年 Zhora Sargsyan
2020年 Shaun Choo, Mo Zhou
* 2022年 Girim Choi, Kyoungsun Park

（注：リストは提供された第一位受賞者情報に基づきます。）

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