アルバリーニョ

アルバリーニョ：スペイン原産の白ブドウ品種

アルバリーニョ（ガリシア語: Albariño, ポルトガル語: Alvarinho）は、イベリア半島で広く栽培されている白ブドウ品種です。スペインのガリシア地方が原産地であり、その独特な香りと味わいで知られています。ポルトガルではカイーニョ・ブランコと呼ばれることもあります。

特徴

アルバリーニョは、高温多湿な環境でよく育ちます。ブドウ畑での栽培では、一株から多くの芽を得るために、大きな天蓋を持つ蔓棚を作る必要があります。その香りは、アプリコットやモモを連想させ、ヴィオニエ種、ゲヴュルツトラミネール種、プティ・マンサン種などと共通する特徴を持っています。

アルバリーニョから造られるワインは、軽やかで、一般的に酸度が高く、アルコール度数は11.5%-12.5%程度です。果皮が厚く、種子が多いことから、ワインにわずかな苦味が感じられることがあります。

歴史

アルバリーニョは、かつてアルザス地方原産のリースリング種のクローンであると考えられていました。また、フランスのプティ・マンサン種との関連性も指摘されています。しかし、マデイラ諸島で栽培されているアルバリーニョ・リラス種とは異なります。

20世紀初頭、アルバリーニョは他の作物の畑の縁に植えられる程度の存在でしたが、20世紀中頃には生産者の投資により、主要なブドウ品種としての地位を確立しました。

栽培地域

スペイン

スペインでは、ガリシア州のリアス・バイシャス地区でアルバリーニョが広く栽培されています。特にカンバードスの村で多く見られます。1986年以降、単一品種としての醸造が試みられ、国内外で評価されるようになりました。ミーニョ川を挟んだポルトガルとは異なる、独自のワインが生産されています。

ポルトガル

ポルトガルのヴィーニョ・ヴェルデ地方でもアルバリーニョは一般的ですが、モンサオンとメルガーソでのみ栽培が認められています。リベイロ、リマ、ブラガなどの地域では、ブレンド用品種として、ロウレイロ種、ゴデージョ種などとブレンドされます。

新世界

近年、アルバリーニョはアメリカ合衆国のカリフォルニア州でも栽培されています。サンタ・イネズ・ヴァレーやクラークスバーグなどが主な産地です。

オーストラリアでも人気を集めましたが、DNA検査の結果、アルバリーニョとして販売されていたワインの多くは、実際にはフランスのサヴァナン種であることが判明しました。

別名

アルバリーニョは、アルバリーニャ、アルバリン・ブランコ、アサル・ブランコなど、様々な別名で呼ばれています。

まとめ

アルバリーニョは、その独特な香りと味わいで、世界中のワイン愛好家を魅了する白ブドウ品種です。スペインのガリシア地方を訪れた際には、ぜひアルバリーニョワインを味わってみてください。

参考文献
君嶋哲至 監修『ワインの図鑑』マイナビ, 2013年

関連項目
ブドウ品種の一覧
ブドウ
スペインワイン
ポルトガルワイン
ワイン用ブドウ品種の一覧

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