アルバロ・レコバ

アルバロ・レコバ：稀代のファンタジスタ

アルバロ・アレクサンデル・レコバ・リベロ（Álvaro Alexander Recoba Rivero）は、1976年3月17日、ウルグアイのモンテビデオで生まれました。そのプレースタイルから「チーノ（中国人）」の愛称で親しまれた彼は、現役時代はフォワードとして、卓越した左足のテクニックと創造性溢れるプレーで観る者を魅了しました。

クラブキャリア

レコバはダヌービオFCでプロとしてのキャリアをスタートさせ、1996年にナシオナル・モンテビデオへ移籍。ここで才能を開花させ、欧州のビッグクラブから注目を集める存在となりました。

1997年、彼はイタリアの名門インテル・ミラノへ移籍。デビュー戦となったブレシア戦で、試合終了間際の10分間に2得点を挙げるという衝撃的なデビューを飾ります。しかし、その後は出場機会に恵まれず、ヴェネツィアへのレンタル移籍を経験。ここでレコバは、その才能を余すところなく発揮します。破壊力抜群のドリブルと創造性豊かなチャンスメイクでチームを牽引し、19試合で11得点9アシストを記録。降格の危機にあったチームを11位まで押し上げ、セリエA残留に大きく貢献し、救世主として崇められました。

1999年にインテルへ復帰。ロナウド、ロベルト・バッジョ、クリスティアン・ビエリなど、多くの名フォワードがチームに在籍する中、レコバは激しいポジション争いを勝ち抜き、中心選手としての地位を確立します。しかし、2000年代半ばになると、ズラタン・イブラヒモビッチやアドリアーノといった新戦力の台頭により、徐々に出場機会を減らしていきます。

出場機会を求めたレコバは、2007-08シーズンにトリノFCへレンタル移籍。しかし、怪我の影響もあり、期待されたほどの活躍はできませんでした。その後、ギリシャのパニオニオスFCを経て、2009年には古巣ダヌービオFCへ復帰。2011年には同じく古巣であるナシオナル・モンテビデオへ移籍し、2016年に引退するまでプレーしました。

代表キャリア

ウルグアイ代表としては、1995年1月18日のスペイン代表戦でデビュー。2002 FIFAワールドカップ予選では、チームの中心選手として活躍し、ウルグアイ代表を3大会ぶりのワールドカップ出場に導きました。本大会では、グループリーグ最終戦のセネガル代表戦で1得点を記録しましたが、チームは決勝トーナメント進出を逃しました。

2007年にベネズエラで開催されたコパ・アメリカ2007を最後に代表を引退。ウルグアイ代表として69試合に出場し、11得点を記録しました。

引退後

引退後は、チャリティーマッチへの出場や、古巣ナシオナルの役員を務めるなど、多岐にわたる活動を行っています。2023年10月には、ナシオナル・モンテビデオの監督に就任し、指導者としての新たなキャリアをスタートさせました。

エピソード

インテル・ミラノの会長であったマッシモ・モラッティは、レコバの大ファンとして知られており、数々のオファーを拒否し続けました。レコバは「モラッティの秘蔵っ子」とも呼ばれていました。

趣味は寝ることで、サッカーの次に好きなスポーツは睡眠だと語るほどです。

アルベルト・ザッケローニはレコバについて、「練習が終わって、彼自身の意思でシュートを打つと、どこでも好きなコースに決めることができた。これがアルバロ・レコバという選手を総括していると思う」と語っています。

レコバの父ラウール・レコバは、息子や孫に地に足の着いた生き方を示すために、タクシー運転手を続けています。

アルバロ・レコバは、その才能と個性的なキャラクターで、多くのファンに愛された、記憶に残る名選手です。

主な獲得タイトル

UEFAカップ：1998
コッパ・イタリア：2004-2005, 2005-2006
* セリエA：2005-2006、2006-2007

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