アルバ・ユリア

アルバ・ユリアの概要

アルバ・ユリア（ルーマニア語: Alba Iulia、ラテン語: Apulum）は、ルーマニアのトランシルヴァニア地方に位置する都市であり、アルバ県の県都です。この都市は、ムレシュ川のほとりにあり、ルーマニアとハンガリーにとって歴史的に重要な拠点として知られています。

歴史的背景

現在のアルバ・ユリアは、かつてのダキアの中心地、アプロンの近くに位置しています。アプロンの名は古代ギリシャの天文学者クラウディオス・プトレマイオスの記録にも見られ、ローマ帝国の属州となった後、ダキア・アプレンシスの首都として有名です。この都市は、ローマの第13軍団が駐留していたことでも知られ、ダキア属州のなかで重要な地位を占めていました。

9世紀になると、この都市は「ベルグラード」と呼ばれ、ハンガリー君主制の歴史書に名前が記されています。10世紀には支配者ゲウラが公国の首都としてこの地を選び、11世紀にはカトリック関連の重要な施設が建てられました。1442年にはフニャディ・ヤーノシュが要塞を利用し、彼の死後その墓所となった聖堂も存在します。

1541年から1690年まではトランシルヴァニア公国の首都とされ、この時期には教育機関や文化的な施設が発展しました。また、1599年にはミハイ勇猛公がトランシルヴァニアを支配することとなり、セイラムバルの戦いに勝利した後、彼はこの地を統治しました。その後、1918年12月1日には、ルーマニア王国とトランシルヴァニアの統合が宣言され、この日は今も「統一記念日」として祝われています。さらに、ルーマニア王フェルディナンド1世が1922年にここで戴冠式を行ったことも特筆に値します。

文化・観光名所

アルバ・ユリアの主な歴史地区は高地にあり、神聖ローマ皇帝カール6世の時代に拡張されました。ハプスブルク家はこの地を「カールスブルク」と改名し、7つの要塞が構築されました。これらは、1716年から1735年にかけて建設されたもので、特にヴォーバン式要塞として知られており、バルカン半島でも最大規模です。

要塞内にはゴシック様式のカトリック聖堂があり、この聖堂はトランシルヴァニアの中世ゴシック建築を代表するものとされています。さらに、1794年に設立されたBatthyaneum図書館は、貴重な写本が所蔵されており観光客に人気です。また、聖堂内にはフニャディ・ヤーノシュの墓もあります。

姉妹都市

アルバ・ユリアは国際的にも交流を持っており、以下の地域と姉妹都市関係を結んでいます：

• - アルンズベルク（ドイツ）
• - セーケシュフェヘールヴァール（ハンガリー）
• - アエギオ（ギリシャ）
• - アルカラ・デ・エナーレス（スペイン）
• - スリヴェン（ブルガリア）
• - デュズジェ（トルコ）
• - サン・ベネデット・デル・トロント（イタリア）

結論

アルバ・ユリアは、その豊富な歴史と文化的な遺産により多くの観光客を魅了しています。私たちが知ることのできるルーマニアの歴史を体感し、訪れる価値のある場所と言えるでしょう。

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