アルバートザグレート

アルバートザグレート：栄光と挫折の競走馬人生

アルバートザグレートは、2000年から2001年にかけてアメリカで活躍した競走馬です。22戦9勝という戦績を残し、幾多のレースを駆け抜けました。特に印象的だったのは、8戦目で制覇した重賞競走と、12戦目で勝利したG1競走でしょう。しかしながら、BCクラシックでは2年連続で入着こそしたものの、勝利には届きませんでした。G1競走を連勝するほどの圧倒的な強さはありませんでしたが、数々の競走に出走し、常に重賞戦線で存在感を示した馬でした。

競走馬引退後の2002年からは種牡馬としてのキャリアをスタートさせます。同じリボー系の種牡馬、プレザントタップの死後、その系譜を受け継ぐ代表的な存在となりました。ケンタッキー州で種牡馬生活を始め、その後ペンシルベニア州に移りました。初年度は68頭の産駒を送り出し、期待も高まりましたが、人気は思ったほど集まらず、年々種付け数は減少していきました。

2013年生まれの世代までで、アルバートザグレートは370頭の産駒を残しました。しかし、その繁殖成績は必ずしも芳しいものではありませんでした。勝ち上がり率や2歳戦勝利率は低く、ステークス勝ち馬も9頭に留まりました。これは種牡馬としては大きな失敗と言えるでしょう。

しかし、興味深いのは、その9頭のステークス勝ち馬の中に、大レースで驚くべき強さを発揮した馬が複数いた点です。G1競走を制した馬が3頭おり、その中にはアルバータスマキシマスなどが含まれます。さらに、プエルトリコとヴェネズエラの国内限定G1競走を制した馬もそれぞれ1頭ずつ輩出しています。このため、低い勝ち上がり率にもかかわらず、AEI（Average Earnings Index）は1.15と、決して悪い数字ではありませんでした。この結果、少数の活躍馬が、その活躍度で種牡馬としての評価を支えていたといえます。一方、G1を勝てなかったステークス勝ち馬はわずか3頭で、いずれも小規模なステークス競走を勝っただけに過ぎず、それ以下の馬はほとんど活躍できませんでした。これは、アルバートザグレート産駒の成績が極端に偏っていたことを示しています。

2016年、9頭の繁殖牝馬に種付けを行ったのを最後に、アルバートザグレートは種牡馬を引退しました。そして、Old Friends Equineで余生を送り、2021年11月19日、24歳で慢性的な副鼻腔炎のため安楽死となりました。

アルバートザグレートは、競走馬として、そして種牡馬として、成功と失敗の両面を経験した馬でした。その複雑でドラマチックな人生は、競走馬界における一つの物語として、長く語り継がれていくことでしょう。

主な産駒:

アルバータスマキシマス (ドンハンデキャップ、BCダートマイル優勝)
ノービズライクショービズ (ウッドメモリアルステークス優勝、他重賞5勝)
ムーンシャインマリン (スティーブンフォスターハンデキャップ優勝)
アルバートザゴールド (Clasico Agustin Mercado Reveron (PR-1)優勝)
マイグレートラブ (Clasico Prensa Hipica (PR-1)優勝)
マイスモールデイリーン (Clasico Hipodromo La Rinconada (Ven-1)優勝)
* ウラガン (Granit II S (RUS-2)優勝)

参考資料:

競走馬成績と情報: netkeiba、JBISサーチ、Racing Post

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