アルビ

アルビの概要

フランスの南部、オクシタニー地域圏に位置するアルビは、タルヌ県の県庁所在地で、タルヌ川のほとりに広がる商業都市です。ローマ帝国の時代からの歴史があり、元々は「アルビガ」という名で知られ、近隣に存在したアルビジョワ派の迫害とともにこの都市名も広まったと言われています。また、アルビは化学繊維やガラス産業が盛んで、特に17世紀初頭からのガラス工業は地域の経済に大きな影響を与えてきました。今でも多くの赤レンガの建物が残り、「赤い町」としても知られています。

歴史的経緯

アルビの歴史は青銅器時代まで遡ります。紀元前51年にローマ帝国がガリアを征服すると、街は「キウィタス・アルビゲンシウム」に改名され、後に「アルビガ」と呼ばれるようになったと考えられています。当時、アルビには重大な建築物の痕跡は見られず、質素な入植地であった可能性があります。1040年、ポン・ヴィユー（古い橋）の建設により、町は発展し、商取引の中心地へと変貌しました。

中世には、アルビジャンに関連するカタリ派が現れました。この宗派は、ローマ・カトリックの教義と異なる思想を持っていたため、教会の攻撃の標的となりました。1208年には、教皇とフランス王によるアルビジョワ十字軍が展開され、大規模な弾圧が行われました。この出来事により、アルビはローマ・カトリックの支配下に置かれることとなり、以降、司教都市として発展しました。

13世紀には、司教ベルナール・ド・カスタネによってベルビ宮殿が建てられ、同時にサント＝セシル大聖堂の建設も始まりました。これらの建物はカトリック教会の威光を象徴するものとして知られ、特に大聖堂の建設には200年近くを要しました。

14世紀半ばにはペストの流行により人口が半減しましたが、1450年から1560年にかけて、商業的な繁栄の時代が訪れました。この時期、タイセイ（大青）の栽培が盛んになり、国内外で取引されるようになりました。美しい邸宅の建設は、当時の商人たちの富を示すものです。しかし、インドからの廉価なインディゴの流入により、繁栄は衰退していきました。

観光名所と文化遺産

アルビには、歴史的な建物が多く残されています。特に、ベルビ宮殿とサント＝セシル大聖堂はその代表格で、現在はトゥールーズ＝ロートレック美術館として利用されています。これらの建物は、旧市街と合わせて「アルビの司教都市」として2010年にユネスコの世界遺産に登録され、訪れる観光客に感動を与えています。

さらに、街の魅力はばら色のレンガで造られた建物の美しさにあります。アルビは古い街並みの修復や保存が進められ、文化的な遺産は毀損されることなく伝えられています。

姉妹都市

アルビは、スペインのジローナやアメリカ合衆国のパロアルトと姉妹都市の関係を結んでおり、国際交流も盛んに行われています。

このように、フランスのアルビは歴史と美しい建築物に恵まれた魅力的な都市であり、多くの観光客を魅了し続けています。

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