アルビオン級揚陸艦

アルビオン級揚陸艦

アルビオン級揚陸艦（Albion-class Landing Platform Dock）は、イギリス海軍のドック型輸送揚陸艦の艦級で、主には災害救助や人道支援、戦闘支援を目的に浮上したモデルです。この艦級は、海軍の輸送能力を強化するために設計され、同時に多様な任務に対応できる柔軟性を持っています。

来歴

アルビオン級の開発は、老朽化したフィアレス級揚陸艦の退役に伴い、本艦級の建造計画が検討され始めた1988年に遡ります。2004年にはコートジボワールの内戦において、アルビオンがイギリス人の避難を支援する任務を担ったことが評価されました。これを受け、1992年に設計がスタートし、1996年に建造契約が結ばれました。

設計

この艦は、イギリス海軍における初の統合電気推進システムを採用しており、艦の機関部の要員は大幅に削減されました。さらに、艦全体の要員数も約40%も削減されることとなりました。また、艦首部分にはバルバス・バウが取り入れられており、航行性能が向上しています。指揮統制システムには、イギリス海軍で一般的に用いられるCSS（Command Support System）が搭載されており、72基のワークステーションによる迅速な情報共有が可能です。

車両甲板の駐車エリアは550メートル分を確保しており、複数の戦車や車両を搭載可能です。例えば、チャレンジャー2戦車なら6両、軽車両を16両収納できます。ウェルドックにはLCU Mk.10型揚陸艇4隻、LCVP Mk.5型揚陸艇4隻を収納することができ、アメリカのLCAC型揚陸艇も2隻収容できます。艦尾甲板にはCH-47ヘリコプターが運用できる発着スポットも設けられていますが、ハンガーは未設置です。

同型艦

アルビオン級は、バロー・イン・ファーネスにあるBAEシステムズの造船所で2隻が建造されています。その中の一隻「アルビオン」は、2018年には北東アジアに派遣され、北朝鮮に対する制裁監視の任務を担いました。この派遣中、乗組員による不祥事が発生するなど、注目を集める出来事もありました。

アルビオン

アルビオンは、長期間にわたって海軍の艦隊旗艦を務めており、数々の訓練任務にも参加しています。特に2018年は自衛隊との共同訓練を目的に日本に寄港しましたが、悪天候により一部訓練が中止されるなどの状況もありました。ただし、艦隊旗艦の任務は2021年に空母に引き継がれました。

ブルワーク

2番艦のブルワークは、初任務が地中海で行われたオペレーション・ハイブロウであったことからも、その重要性が伺えます。大規模な改修を経て、艦隊旗艦に就任した経験も持っています。これにより夜間運用能力が強化され、さらに機動性が向上しました。

結論

アルビオン級揚陸艦は、現代戦における海上戦力の要として、総合的な機能を持つ重要な艦船であることがわかります。本艦級の活躍は、イギリス海軍の国際的なミッションにおいても一役買っており、今後も多くの任務が期待されています。

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