アルファクス・フード・システム

株式会社アルファクス・フード・システム

株式会社アルファクス・フード・システムは、山口県山陽小野田市に本社を構える、外食産業向けの情報システム開発・提供を専門とする企業です。略称としてafsが用いられています。この分野における専業メーカーとしては、世界的に見ても有数の規模と実績を持つ企業として知られています。

同社の事業内容は多岐にわたりますが、核となるのは外食産業向けのソフトウェア開発と販売です。特に、飲食店の経営を包括的に管理する基幹業務システム「飲食店経営管理システム®」は、国内市場で高いシェアを誇ります。また、食材の発注業務を効率化する「自動発注システム」は、2017年に特許を取得した独自技術であり、多くの飲食店で導入が進められています。この自動発注システムは、かつて1992年にも販売が開始されたものの、当時の技術的課題から一時中断されましたが、技術革新を経て2015年に再リリースされ、同社の業績を大きく牽引する製品となりました。

情報システムの提供形態としては、1995年から日本でいち早くASP（アプリケーションサービスプロバイダ）方式、現在のクラウド方式による基幹業務サービスの提供を開始しており、この分野のパイオニアでもあります。その他、外食産業に特化したPOSシステム、オーダーエントリーシステムである「オーダーショット」、お客様用テーブル端末「テーブルショット」などのハードウェアおよびそれらを制御するソフトウェアの開発・販売も手がけています。

システムの導入から運用までをサポートするため、全国規模のメンテナンスサービス網を構築しており、国内最大級の拠点数（319拠点）を有しています。これにより、万が一のシステムトラブル発生時にも迅速な対応を可能にしています。

近年では、これまでの情報システム事業に加え、外食産業やホテル業界の課題解決に向けた新たな事業にも参入しています。例えば、重油ボイラーに代わる業務用電気ボイラーを開発し、エネルギーコスト削減を支援する事業を展開しています。また、新型コロナウイルス感染症の流行を機に、非接触や効率化ニーズが高まる中で、外食産業向け配膳AIロボット「サービスショット」やセルフレジ「セルフショット」といった先進的なソリューションの開発・販売にも注力しています。特に「サービスショット」は、中学校の技術・家庭科の教材に採用されるなど、教育分野からも注目されています。

沿革を見ると、1987年にアルファクス社のOAソフトウェア開発事業部としてスタートし、外食産業向けシステム市場を開拓してきた歴史がわかります。1993年にはMBO（経営陣による買収）により独立し、株式会社アルファクス・フード・システムとして新たな歩みを始めました。その後も、POSシステムや予約システムなど、業界初の試みを数多く実現しています。2006年には、外食産業専業の情報システム会社としては世界で初めて株式上場を果たしました（ヘラクレス市場、現ジャスダック）。

上場後には経営体制に関する一時的な混乱も見られましたが、創業者が復帰し、「自動発注システム」の再リリースを成功させることで、業績を回復させ、上場来最高益を更新するなど、成長を続けています。直近では、共同創業者の藤井由実子氏が代表取締役社長に就任するなど、新たな経営体制のもと、外食産業のデジタルトランスフォーメーション（DX）推進に貢献しています。

このように、株式会社アルファクス・フード・システムは、長年にわたり外食産業の情報化を支え、時代の変化や技術革新に対応した独自のソリューションを提供し続けることで、業界の発展に貢献している企業です。

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