アルファロメオ・145

アルファロメオ145：スポーティなハッチバックの系譜

アルファロメオ145は、イタリアの自動車メーカー、アルファロメオが1994年に発売した3ドアハッチバックです。同社の伝統的なスポーツ性を受け継ぎつつ、現代的なデザインとメカニズムを融合したモデルとして、高い評価を獲得しました。

アルファスッドからの系譜とフィアットとの関係

145は、アルファロメオ33の後継車種として登場しました。開発段階では5ドアハッチバックも計画されていましたが、これは独立モデルの146として発表されることになります。特筆すべきは、3ドアモデルは33には存在しなかったため、先々代のアルファスッド以来の復活を遂げた点です。

アルファロメオがフィアット傘下にあった時代背景も影響し、145はフィアット・ティーポをベースに開発されました。多くの部品を共有することで、開発コストを抑えつつ、信頼性の高いプラットフォームを実現しています。このプラットフォームを共有したことで、フィアットグループ内の技術と資源の有効活用が実現したと言えるでしょう。

エンジンとシャシー：多様な選択肢と洗練された走り

145には、幅広いバリエーションのエンジンが搭載されました。水平対向4気筒SOHCやDOHC、直列4気筒DOHC、そしてディーゼルエンジンなど、様々なユーザーのニーズに対応するラインナップが用意されていました。中でも注目すべきは、直列4気筒DOHCツインスパークエンジンです。1気筒あたり2本の点火プラグを採用することで、環境性能を向上させながら、力強い走りを生み出していました。これは、当時欧州で厳しくなりつつあった環境規制に対応するための重要な技術的革新でした。

駆動方式はFF（前輪駆動）で、サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアがセミトレーリングアームという構成。前後コイルスプリングによる快適な乗り心地と、スポーティなハンドリング性能を両立させています。

デザインと生産終了

内外装デザインは、アルファロメオのデザインセンターであるチェントロスティーレが担当しました。イタリア車らしい美しいデザインは、時代を超えて愛される要素となっています。

145は2001年に生産を終了。後継モデルとなる147へとバトンタッチしました。比較的短い生産期間ではありましたが、アルファロメオの歴史において重要な役割を果たしたモデルと言えるでしょう。

日本における販売：クワドリフォリオ・バージョン

日本市場においては、1996年からフィアット＆アルファロメオ・モータース・ジャパンが正規輸入を開始しました。しかし、販売されたのはスポーツモデルのクワドリフォリオのみ。クワドリフォリオは、伝統的にアルファロメオの高性能モデルに与えられる称号で、四葉のクローバーのバッジが貼られています。右ハンドル、5速MT仕様で、2.0Lツインスパークエンジンを搭載。最高出力155PS、最大トルク19.1kgf・mを誇るパワフルな走りが、日本のアルファロメオファンを魅了しました。

まとめ

アルファロメオ145は、コンパクトなボディにスポーティな走りと洗練されたデザインを凝縮したモデルでした。フィアットとの技術提携による効率的な生産と、アルファロメオ伝統のスポーツ性、そしてイタリアンデザインの融合によって生まれた145は、現代においてもその魅力を失わず、多くのファンを惹きつけています。短い販売期間ではありましたが、アルファロメオの歴史に大きな足跡を残したと言えるでしょう。

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