アルファGPC

L-α-グリセリルホスホリルコリン（α-GPC）について

L-α-グリセリルホスホリルコリン、通称α-GPCは、自然界に存在するコリンの誘導体であり、主に脳や乳腺に多く含まれています。α-GPCは副交感神経に関連する神経伝達物質、アセチルコリンの前駆体として知られています。この特性から、アルツハイマー型認知症などの脳機能の改善に役立つとされ、現在も臨床的な研究が進められています。

α-GPCの特徴

α-GPCは、血液脳関門を素早く通過できるため、コリンを効率的に脳に届けることが可能です。このため、アセチルコリンの合成を助け、神経伝達の機能をサポートします。これは脳卒中やアルツハイマー型認知症における認知能力の改善に寄与する可能性が考えられており、これに関する研究が多く行われています。

研究の進展

イタリアで実施された多施設臨床試験では、2,044名の脳卒中患者に対してα-GPCが評価されました。この試験では、患者に対し初めに1日あたり1,000mgのα-GPCを28日間、その後は1日あたり400mgを5ヶ月間投与しました。その結果、認知機能の回復が4つの尺度で確認され、そのうち3つの尺度では統計的に有意な改善が得られたとの報告があります。

安全性

α-GPCの安全性についての研究も行われています。NOAEL（無観察有害作用レベル）は犬において経口で26週間150mg/kg/day、ヒトでは6ヶ月間に20mg/kg/dayとされています。また、動物実験ではラットやマウスの経口LD50は10,000mg/kg以上であり、変異原性や遺伝毒性の兆候は見られないことが確認されています。

摂取と利用法

α-GPCは高純度の大豆レシチンから誘導されることが多く、栄養補助食品として広く流通しています。摂取にあたっては、専門家の指導のもとで行うことが望ましく、特に健康状態に不安がある方は医師に相談することが推奨されます。

まとめ

L-α-グリセリルホスホリルコリン（α-GPC）は、その脳機能改善効果から注目されている成分で、特に認知症や脳卒中からの回復に対して期待されています。今後のさらなる研究によって、より一層の理解が得られることが期待されます。

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