アルフレッド・エイホ

アルフレッド・ヴァイノ・エイホについて

アルフレッド・ヴァイノ・エイホ（Alfred Vaino Aho、1941年8月9日生まれ）は、カナダのトロント大学で応用物理学を学び、その後、プリンストン大学で電気工学と計算機科学の博士号を取得した計算機科学者です。1995年からニューヨークのコロンビア大学で教授を務めており、同大学の同窓会から2003年に授与されたGreat Teacher Awardを受賞しています。

経歴

エイホは1967年から1991年までベル研究所に在籍し、計算機科学研究者としてのキャリアを築きました。この間、彼は効率的な文字列のパターンマッチングアルゴリズムを考案し、UNIXシステムにおけるegrepやfgrepの最初の実装に関与しました。その中で特に注目されるのは、fgrepのアルゴリズムに名付けられたエイホ-コラシック法で、これは全文検索において広く利用されています。さらに、プログラミング言語の解析や変換において、スティーブ・ジョンソンやジェフリー・ウルマンと共に重要なアルゴリズムの研究を行いました。

エイホはまた、彼とウルマン共同でコンパイラ設計の教科書を数冊執筆しています。中でも1977年に発表された『Principles of Compiler Design』は緑色のドラゴンが表紙のため、「グリーンドラゴンブック」と呼ばれています。また、1986年にはラビ・セシィとの共著により『コンパイラ—原理・技法・ツール』が発行され、原著表紙が赤いため「レッドドラゴンブック」として有名です。2007年にはモニカ・ラムによる改訂が行われたことで、この書籍は「パープルドラゴンブック」とも称されます。

彼の研究は、量子コンピュータからプログラミング言語、コンパイラ、アルゴリズムにまで及び、コロンビア大学でのLanguage and Compilers research groupに所属しています。

受賞歴

エイホの業績はさまざまな賞で評価されており、2003年にはIEEEフォンダース賞を受賞し、2017年にはC&C賞、さらに2020年にはチューリング賞を授与されました。また、全米技術アカデミーの会員であり、アメリカ芸術科学アカデミーのフェローでもあります。1986年にはアメリカ科学振興協会のフェロー、1996年にはACMのフェロー、1984年にはベル研究所のフェロー、1988年にはIEEEのフェローとしても名を馳せております。

さらに、ウォータールー大学とヘルシンキ大学から名誉博士号も受賞し、22003年にはコロンビア大学のGreat Teacher Awardも受けて、教育面での影響も感じられます。

重要な著作

エイホの著作には、以下のような重要な作品があります。これらは計算機科学やコンパイラの分野において、非常に評価されています。

1. 『The Theory of Parsing, Translation, and Compiling, Vol. 1: Parsing』 - ジェフリー・ウルマンとの共著
2. 『アルゴリズムの設計と解析』 - 翻訳もされています。
3. 『Principles of Compiler Design』 - エイホとウルマンの代表作
4. 『コンパイラ—原理・技法・ツール』 - 三人による共著で、コンパイラ設計の基礎が学べます。
5. 『プログラミング言語AWK』 - ブライアン・カーニハンやピーター・ワインバーガーとの共作で、AWK言語の解説書です。

エイホは現在も研究を続けており、計算機科学やプログラミング言語における新しい理論や手法の開発に取り組んでいます。

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