アルフレッド・リード

アルフレッド・リード

アルフレッド・リード（Alfred Reed, 1921年1月25日 - 2005年9月17日）は、アメリカを代表する作曲家であり、指揮者としても活躍しました。特に吹奏楽の分野においては、20世紀を代表する音楽家の一人として、その名を知られています。彼は生涯で200曲以上もの吹奏楽作品を作曲し、その作品はプロの吹奏楽団だけでなく、教育機関やアマチュア団体にも広く演奏され、世界中で愛されています。

生涯

1921年1月25日、ニューヨークで生まれたリードは、10歳からトランペット、15歳から作曲を学び始めました。高校卒業後には、放送局で作曲・編曲、そして副指揮者としてキャリアをスタートさせました。

1942年、21歳の時に陸軍航空隊バンドに配属され、副指揮者とディレクターを務めました。除隊後の1946年にはジュリアード音楽院に入学し、作曲をヴィットリオ・ジャンニーニに師事しました。

その後、NBC、CBS、ABCといった主要な放送局で音楽番組制作に携わりました。1953年にはベイラー大学シンフォニーオーケストラの指揮者に就任し、指導にあたりました。また、1955年から1966年までハンセン出版社の責任編集者として、楽譜出版にも貢献しました。

1966年にはマイアミ大学音楽学校の教授となり、1993年まで作曲と理論を教えました。この間、世界中の楽団と共演し、数々の作品を発表しました。1968年には、ペルー国立音楽院から名誉博士号を授与されています。

日本においては、リードの作品「音楽祭のプレリュード」が全日本吹奏楽コンクールの課題曲に採用されたことをきっかけに、広く知られるようになりました。1981年には東京佼成ウインドオーケストラの招きで初来日し、1988年からは洗足学園音楽大学の客員教授を務め、多くのアマチュア楽団を指導しました。また、大阪の毎日放送テレビの放送開始・終了時の音楽も手がけました。

2005年9月17日、フロリダ州コーラルゲーブルスにて老衰のため死去。84歳でした。

主な作品

リードの作品は、吹奏楽の可能性を大きく広げたと言えるでしょう。彼の作品は、その音楽性の高さと親しみやすさから、多くの人々に愛されています。

交響曲

金管楽器と打楽器のための交響曲 (1952)
第2交響曲 (1977)
第3交響曲 (1988)
第4交響曲 (1992)
第5交響曲“さくら”(1995)

組曲

吹奏楽のための第1組曲 (1974)
吹奏楽のための第2組曲「ラティーノ・メキシカーナ」 (1979)
吹奏楽のための第3組曲「バレエの情景」 (1981)
吹奏楽のための第4組曲「シティ・オブ・ミュージック」 (1992)
吹奏楽のための第5組曲「インターナショナル・ダンス」 (1995)
吹奏楽のための第6組曲 (1998)
吹奏楽のための第7組曲「センチュリー・オブ・フライト」 (2003)

その他の楽曲

ロシアのクリスマス音楽（ロシアン・クリスマス） (1944)
スラブ民謡組曲　（1953）
バラード～アルトサックスのための　（1956）
音楽祭のプレリュード（フェスティヴァル・プレリュード） (1957)
シンフォニック・プレリュード (1963)
パッサカリア (1967)
サスカッチアンの山 (1967)
ミュージック・メーカーズ (1967)
ジュビラント序曲 (1969)
序曲「インペラトリクス」(1971)
「ハムレット」への音楽 (1971)
イン・メモリアム 〜逝ける者への哀歌〜 (1972)
北国の伝説 (1972)
アルメニアン・ダンス（パート1） (1972)
アレルヤ! ラウダムス・テ (1973)
パンチネロ序曲 (1973)
アルメニアン・ダンス（パート2） (1975)
プレリュードとカプリッチオ (1977)
オセロ (1977)
魔法の島 (1979)
序曲「春の猟犬」 (1980)
ラッシュモア (1980)
プロセルピナの庭 (1981)
クイーンストン序曲 (1982)
小組曲（Ⅰイントラーダ　Ⅱシチリアーナ　Ⅲスケルツォ　Ⅳジーグ） (1983)
ヴィヴァ・ムジカ! (1983)
法華経からの三つの啓示 (1983)
エル・カミーノ・レアル (1985)
セカンド・センチュリー (1985)
気高きカスケード連峰の歌 (1985)
ゴールデン・ジュビリー (1986)
エルサレム讃歌 (1987)
サリューテイションズ! (1988)
ゴールデン・イーグル (1990)
カーテン・アップ! (1990)
春のよろこび (1990)
ミスター・ミュージック! (1990)
マリンバ・コンチェルティーノ (1991)
エヴォリューションズ (1993)
トランペット協奏曲 (1996)
2つのバガテル (1997)
ミレニアムIII (1998)
ミュージック・イン・ジ・エアー（2000）
サクソフォーン四重奏のための五つのカメオ (2001)
十二夜 (2003)
アーデンの森のロザリンド (2004)

編曲

グリーンスリーヴズ（1961）
主よ、人の望みの喜びよ（1981）


アルフレッド・リードは、吹奏楽の分野において、その才能と情熱をもって数多くの名曲を生み出し、後世に多大な影響を与えた偉大な音楽家でした。

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